東京のドヤ街 山谷でホスピス始めました。
ホスピス「きぼうのいえ」は、そんな独特の雰囲気をもつこの地に、著者の山本さんによって作られました。
ところで、ホスピスという言葉からは、どんな印象を受けるでしょうか。 「命に限りのある人たちが、身体の苦痛から解放され、穏やかに最期の時間を過ごせる場所」というのが一般的ではないでしょうか。
しかし、生命にかかわる病気を患っても、そうした場所で過ごせない人は数多くいます。山谷で暮らすホームレスや生活に困窮した人であれば、なおさらです。
山本さんは、そうした人たちが穏やかで豊かな時間を過ごせる場所をつくりたいという願いをもって、「きぼうのいえ」を始めたのです。
「きぼうのいえ」には、笑いあり涙ありのさまざまなドラマがあふれています。入居者はみな一筋縄ではいかない人ばかり。その生活は常に波乱が起こります。そのせいか、山本さん自身は苦悩し、体調を崩してしまうことも。それでも最期には感動的な看取りの場面が……。
入居者と真剣勝負でぶつかる山本さんの姿に触れると、人に「寄り添う」ということの本当の意味が見えてくるような気がします。(byこりん)