失語症の人は、思いどおりに言葉が出なくなってしまったために、話したい気持ちはあるのに、家族や友人と会話をする機会が減り、孤独になりがちです。いろいろな社会参加の場でも、正しく情報を得ることができなかったり、無視され、誤解されたりすることもあるそうです。
通常、言語聴覚士による言語訓練は、失語症の本人を対象に行われます。しかし、言語障害の回復は簡単なことではなく、時間もかかります。そこで本書は、失語症の人の周りにいる人、つまり家族や介護職員などを対象に、「話す」ということに焦点を置いて作られています。
失語症の基礎知識はもちろんのこと、イラストを豊富に用いた練習問題があり、読みすすめるうちに自然と失語症の人と話すためのポイントが身につくようになっています。失語症の理解とコミュニケーションを学ぶための入門書として最適の1冊です。(byてらこ)