永島さんは、認知症対応型通初介護(認知症デイサービス)「風のさんぽ道」で、日々認知症の人やそのご家族と接しています。その経験から、認知症ケアで一番大切なことは「相手の思いを察すること」だと確信しました。そこで、認知症ケアに必要不可欠な思いを察することを「必察」と呼び、必察することから認知症の人の生活(いき)ること支援をはじめようと提案する書です。
具体的には、第1章で永島さんが認知症ケアに携わるようになったきっかけ。第2章では、認知症とともに生活(いき)る人の思い。そして、その思いを察するための7つの必察(技)の紹介。第3章では、「風のさんぽ道」に集うお年寄りとのエピソードを、前章で紹介した7つの必察技とともに読み物風に掲載しています。
「認知症だから……」と決めつけることなく、認知症とともに生活(いき)る人の思いを察することで、これまで見えなかった、相手の姿が見えてきます。そして、気づくことのなかった大切なものに気づくはずです。そこから本当の支援がはじまるのでしょう。
専門職や家族といった立場を超えて、認知症ケアに行き詰った人におすすめの1冊。(byてらこ)