ダイコン一本からの革命
現在、大地を守る会は、有機野菜の生産から消費までの全国規模のネットワークを通じて多角的な環境への取り組みを展開し、さらには農業研修や市民運動の研修を主眼とした自主大学をつくるまでに至りました。
そんなこともあり、世論は根底に流れるイデオロギーにのみ着目することも多いですが、本書を読むと、実はもっとシンプルな運動体なのではないかと感じます。
「走りながら考える」。
基本はそれに尽きるのかな、と。
おもしろそう。やってみたい。うん、やろう!
悩ましいトラブルや困難も必ずありますが、とりあえずスタートを切ってみる。見る前に跳んで、走りながら考える。
これがなかなかに難しいのです。それができた藤田さんたちは、やはり非凡の人だと思いました。100万人のキャンドルナイトしかり、フードマイレージしかり。
この本は、そうした藤田さんたちのワクワク・ドキドキがつまっている、冒険譚としておもしろく読むことができます。
「おかしいじゃないか」と思うことがあるなら、動いてみよう。それから考えても遅くない。
そんな気になる1冊です。(byこゆき)