非属の才能
○「空気が読めない奴」と言われたことのあるあなた。
○まわりから浮いているあなた。
○「こんな世の中おかしい」と感じているあなた。
○ほんとうは行列なんかに並びたくないと思っているあなた。
○のけ者になったことのあるあなた。
もしあなたが該当すれば、非属の才能があるとのこと。
この才能を大切にしてきた人は、結果として偉業をなしてきたと著者は言います。黒澤明しかり。長嶋茂雄しかり。桑田佳祐しかり。それはもっていた才能を途中で放棄することなく、自分の非属感覚を自他ともに認めながら成長してきたことにあるそうです。
とはいえ、非属の道は険しく長いように思います。
単に「自分はそのままがステキ」「変わっていることはかっこいい」という流行のなかで非属をとらえてはいけない。自分の非属感覚を大切にしながら、相対する人の見識や価値観にも耳を傾けることの難しさ。
なにやら禅問答のよう……?
非属の才能の要否・是非はさておき、どこかに属すことで安心感を得てきた時代が終焉を迎えたことは確かです。この揺らぎ続ける社会のなかで、個人がより重視される世界が来つつあります。
そのとき、私たちは利己的になることなく、どうしなやかに生きていけるか。さらに言えば、どんな社会を築いていけるか。この本は、そうした命題を解く一つめのヒントのような気がしました。(byこゆき)