そんな介護食を、この本では3つのコンセプトのもと、とりあげています。
(1)食べなければ元気になれない
(2)おいしくなければ栄養にならない
(3)楽でなければ続かない
では、どんな料理が載っているのでしょう。
たとえば、家庭の料理をアレンジした「まぐろの和風タルタル」、家族もいっしょに食べられる「おから入り千草焼き」、冷凍食品を応用した「里芋団子のあんかけ」、缶詰、びん詰めを利用した「カマンベールチーズの和風リゾット」、市販の総菜を工夫した「かぼちゃ茶巾」などなど。
写真を見ているだけで、食欲が湧いてくるメニューが数多く紹介されています。
書名に「5分でできる」とあるように、作り方はいたって簡単。
たとえば、イタリアの代表的なスープ、ミネストローネは、余り物のスパゲッティ・ナポリタン(冷凍でもいいのです)を食べやすい長さに切って、ベーコン・玉ねぎなどよくある材料を炒めて水・コンソメで煮ます。
そこにスパゲッティ・ナポリタンをドンと放り込み、タネと皮を取った刻みトマトを入れて塩・こしょう。
介護食でなくても、つくりたくなる1品です。
これらの料理には、おとしよりの身体の状態に合わせてメニューを選べるように、「噛みやすい」「飲み込みやすい」「体力アップ」「抵抗力がつく」「塩分ひかえめ」「血液サラサラ」などのマークが付けられています。
ふだん気になる病気や健康状態がある人には、特にマークの付いた料理がオススメです。
おとしよりといっしょにこの本を見ながら、「今日は何が食べたい?」「これ」なんて会話が聴けることを、願ってやみません。(byこゆき)