モノがあふれる現代。手に入れようと思えば、欲しいモノは何でも手に入れられるのではないでしょうか。新しい商品も次々と生まれ、不要になれば惜しげもなく捨てる……。「使い捨て」の時代といっても過言ではありません。そのため、一つひとつのモノを大切にするという意識も希薄になりがちです。


　そんな時代だからこそ、「求めない」というフレーズには新鮮さが感じられます。
　しかし、何も求めない生活は可能でしょうか。
　もちろん、現実的には不可能であり、著者の加島祥造さんもそんなことをすすめているわけではありません。


　「求めない」＝「求めないですむことは求めない」
　加島さんは本書の中でこのように記しています。


　すると、いま自分が置かれている現状に対する見方が変わってくるでしょう。
　自分とかかわる人やモノ、さまざまな環境の良さが再認識できるでしょう。
　新しいモノを追い求めることも時には必要ですが、現状をよく見つめ直すこと思わぬ気づきがあるでしょう。


　心に迷いが生じた時、心を落ち着かせたい時に、何度でも読み返したくなる詩集です。（byこりん）