Rのつく月には気をつけよう
「於茂登」や「ボウモア」、「臥龍梅」と言ってピンと来る方。
あなたは間違いなく、酒飲みです。
そしてワクワクしてしまう方。……あなたとは、友達になれそうです!
冗談はさておき、この連作集はおもしろい肴とそれに合う酒をめあてに、大学時代の友人3人が集うことから始まります。
ルールらしいことと言えば、3人のうちだれかがその夜のゲストを連れてくること。ゲストがもたらす未知の会話から、終盤、ミステリアスな謎解きに発展します。なぜ飲み会の話が、ちょっとした推理小説に発展するのか? それは読んでのお楽しみにしておきましょう。
おいしい料理はこころを軽くし、うまい酒は重い口を開かせる。それらがピッタリ組み合わさったとき、人は日常のなかに思わぬ発見をするのでしょうか。
何を発見するかは、その人しだい。
この本にはそんなメッセージが込められているように思います。
たとえば、生牡蠣とシングルモルトウイスキー。
たとえば、こなごなに砕いたチキンラーメンと生ビール。
たとえば、チーズフォンドュとオレゴンのシャルドネ。
たとえば、豚の角煮と普通の泡盛。
たとえば、炒りたての銀杏と静岡の地酒。
こんな肴と酒を目の前に、あなただったら、だれに、どんな秘密を打ち明けますか? (byこゆき)