いのちはなぜ大切なのか
「いのちは、なぜ大切なのか?」
誰もが1度は考えたことのある問いではないでしょうか。
昨今、安易な理由による殺人事件の報道が後を絶ちません。
そのたびに「いのちの大切さを訴えよう」という議論がなされますが、「いのちはなぜ大切なのか」については語られません。
「いのちは大切に決まっているから」
「1つしかないから」
「ご先祖様から受け継がれたものだから」等々。
昔から言われるこれらの答えは、どれも正しく、しかし、どれも万人が納得して実践する答えではないということは、現状を見れば明らかでしょう。
本書は、ホスピス医である著者が、この問いへの答えを検討しています。
美談やきれいごと、脅しや恐怖心では、いのちの大切さは伝えきれません。現実は、美しく楽しい一方で、醜く理不尽でもあるからです。
そういった、苦楽が複雑に混ざり合った世の中で、なぜいのちを大切にして精一杯生きなければいけないのか。
むしろ苦しみの方が多いような人生で、どのように自己を肯定して前向きに生きていくのか。
その答えのヒントが本書にあります。(byてらこ)