1本のえんぴつ
2年間にわたって書いてきたこのブログだけど、3月末で終了することになったんだ。
ここでは、テレビで見る冗談ばっかり言うサンコンだけじゃなくて、教育や環境のことなどサンコンがまじめに考えていることも書くことができてよかったと思っています。
サンコンは、34年前に日本ではじめてギニア大使館を作るために、外交官として日本にやって来ました。つまり、日本とギニアの架け橋として着たんだよね。
最初は、3年で帰る約束だったんだ。でも、日本ってとてもステキな国だっていうことがわかって、大好きになっちゃって、今ではギニアに住んでいた期間よりも長い間、日本に住んでいます。
もちろん、祖国ギニアのことも大切に思っている。僕は毎年、日本の人に寄付してもらった文房具とか洋服をコンテナに積んでギニアに送るっていうことをしている。ギニアの子どもは、えんぴつ1本をあげたって、飛び上がるほど喜ぶんだ。
日本の人はとても優しくて、たくさんの文房具を寄付してくれる。寄付してくれた人も「ギニアで役立ててください」「子どもたちに喜んでもらえてうれしい」って言ってくれる。本当に感謝しています。
でも、その一方で、僕はこう思うんだ。どうして、こんなにたくさんの新しいえんぴつや消しゴムを持っているのかな。どうして、人にあげるほど物にあふれてるのかな。今、ここに新しいえんぴつが1本あることが、どんなに素晴らしいことか、わからないんだろうなって。
使わない物を捨てるのではなく、寄付したりして他に役立てることも物を大切にすることになると思う。でも、本当に物を大切にするということは、自分に必要な最低限の物を、その物の寿命が尽きるまで大切に使うことじゃないかな。
人は豊かになると度超えてしまうことがある。物があるのが当たり前になって、もうあるのに、もっと、もっとほしくなってしまう。新しいのができたら、まだ使えるのに、買い換えてしまう。それにはお金が必要だから、他人よりも少しでも多くお金を稼ごうとする。でも、それって、ちょっと変じゃないかな。
1本のえんぴつを大切にするということは、食べ物を大切にすることにもつながるし、人を大切にすることにもつながると思う。
ギニアの子どもは、みんなにもらった1本のえんぴつを本当に大切に使っている。短くなっても、もう持てないっていうくらいまで使うんだ。それは、貧しいからというだけではなくて、物を大切にしたいという気持ちからなんだ。
確かにギニアは貧しい国だけど、不幸ではないんだ。物はなくとも心は豊か。たくさんの笑顔と思いやりがある。みんなで分かち合って生きているんだ。
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