外国語を覚える秘訣(その1)
人間って「必要」に迫られないと、なかなかやろうとしない。 世界の文明が進んだのも同じ理由だと思う。もっと楽をしたいっていう思いがあったから、車や飛行機やロケットができたんだと思う。
ボクが日本語を覚えた理由の一つは環境。周りにギニア語をしゃべれる人がいないというのは、必要に迫られた大きな理由だった。
ボクは、1972年に来日して少しした頃、大使館のネットワークで、フランス人向けに日本語を教えている学校があることを聞いたんだ。ぼくはフランス語は話せるから、じゃあってことで、飛んでいった。 そしたら、日本語は難しかった。最初はちんぷんかんぷんでわかんない。本当にもう無理だ、って思った。
ボクが話せるフランス語、英語やスペイン語なんかは、みんなラテン系から来ている言葉なんだ。だから、言葉のベースはとても似ているんだ。同じアルファベットだし覚えやすい。
なおさら、日本語は難しかった。
だから、せめて、毎日1つだけでも言葉を覚えようとした。そこでボクはPrivate Dictionary(個人用の辞書)を作ったんだ。小さくて分厚いノートを一冊買って、毎日書き込んでいった。 「こんにちは」「こんばんは」とか、日常生活に必要な言葉の意味を書き込んだ。日本語は書けなかったから、自分の書けるアルファベットでいっぱい書き込んでいったんだ。
ちなみに、一番印象深い言葉は「cancel」。日本語だと「中止」「もうないよ」という意味だね。この言葉がボクには重かったね。
なぜかって?
友達に「旅行が中止だよ」って言われて残念だったから。
ボクは、Private Dictionaryをいつも持ち歩いて、繰り返し見直してた。 何かあると、ポケットから取り出して、会話の時に使う。
未だに大切に持っているんだ。
コメント
大人になってから外国語を習得するのって難しいですね。サンコンさんの場合は元々マルチ・リンガルだから、日本語も簡単に習得されたのかと思ってましたけど、やはり大変なご苦労をされたんですね。確かに日本語はラテン系の言語とは全く違いますもんね。でも環境は大事ですね。ウチの娘(4歳)も、英語で生活してるので日本語は苦手ですが、来月一時帰国するので、少し日本語に馴染んでくれたらと思います。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。