自治体の協力
「男性介護者の会」というのは全国にいくつか存在している。しかし、大抵がケアマネジャーや介護ヘルパーが中心となって介護者を集めている団体であって、「荒川区男性介護者の会(通称オヤジの会)」のように介護者が主体となって運営し定例会をもち長く継続しているケースは少ないらしい。
これには様々な要因があると思うが、一つ欠かせないのはやはり地元自治体の協力だろう。
「荒川区男性介護者の会」発足のきっかけは、平成6年に保健所のソーシャルワーカーによる呼びかけで、数名の男性介護者と区の職員が区役所の食堂で話し合いをもったことである。以後、16年継続している。
睡眠障害
在宅で家族の介護をしている人であれば、ほぼ100%の方が睡眠障害に悩まされているだろう。そのうえ、要介護者に認知症があれば昼夜逆転の状況になりやすく、夜間徘徊をして困ったなどという話も多く聞く。
我が家でも、父を介護していた頃は、夜間に父が外に出ていってしまうのを防ぐために私が玄関前にふとんを敷いて寝ていた事もあった。また、母のように認知症が無い場合でも昼間は横になっている時間が長いことから、夜間に複数回トイレに起きる事となる。当然、介護をする立場の私はそのたびに起こされている。
ピルケース
要介護状態にまでなってしまうと、日常常備薬の量も種類も増えてくる。
父が存命中のこと、「薬をきちんと飲むのが面倒くさい」と言うので、調剤薬局で見つけたピルケースを購入してきた。日曜日から土曜日までの1週間分の薬を、朝・昼・晩・就寝前に分けて入れられるものである。今では100円ショップでも手に入るが、当時は1,000円以上する代物だった。
父は喜んでくれると思っていたのだが、「こういうのは、溝のところにホコリがたまりやすいからイヤだ」と言われてしまった。私は頭にきて、そのピルケースをそのままゴミ箱に捨ててしまった。
ところが翌日、見ると捨てたはずのピルケースに父の常備薬がきれいに分けて入れられていた。母が拾い出してきちんと仕分けしてくれたらしい。その後、父は自分で薬の管理が出来なくなるまで大事に使ってくれた。