地上デジタルテレビ放送
一人で外出する事がままならない高齢者にとって、テレビは唯一最大の娯楽である。自宅にこもって、朝から晩までテレビ三昧という高齢者は少なくない。
今、そのテレビ放送に異変が起きている。2011年7月24日までにアナログテレビ放送が終了する。各テレビ局をはじめとしたマスコミは再三PRと注意喚起につとめているが、高齢者の単身世帯や高齢者のみの世帯にもどれだけ正しく理解されているか疑問だ。
今あるテレビは、このままだと2011年7月25日以降、ただの重たい箱になってしまう。
そうしたなか、高齢者を狙って新たな詐欺事件も多く発生している。「振り込め詐欺」なるものが横行する現在の世情を考えれば、充分予測できた事態だ。
また、なかには「新しいテレビを買え」と言われても「あと何年生きられるかわからないのに高価な買い物はしたくない」という高齢者もいるだろう。
行政は、放送局やメーカーの協力を得て、高齢者のみの世帯にはデジタルチューナーを無料で貸し出すとか、ケーブルテレビの受信料を引き下げるとかの対応はとれないものだろうか?
ちなみに我が家では、数年前から某局映像のゴーストが見えて悩まされていた。その上、昨年の台風で屋上に設置したアンテナが大破してしまった。修理するかどうか迷っていたところに、タイミングよく地元ケーブルテレビの営業が来たので契約することにした。月々4千円くらいの負担はあるが各チャンネルの映像がクリアになり、とりあえずリビングに置いてあるメインのテレビは地上デジタルテレビ放送への対応が可能となった。
多彩なケーブルチャンネルの中には「時代劇専門チャンネル」もあり、母を喜ばせている。特に月~金の午後5時から放送されている『銭形平次』は毎日かかさず見ているようだ。ストーリーだけでなく、故人やベテラン俳優の若き日の映像が見られることも楽しみにしている。
お陰で、私が帰宅するくらいの時間から夕食時にかけては母の機嫌がいい。思わぬ収穫ではあるが、介護される側・する側の精神衛生上、大変好ましい。
それに、5チャンネルでは休日当番医の紹介をはじめ、身近な地域の情報も頻繁に流してくれている。孤立しがちな高齢者世帯にとっての重要な情報源として普及してほしい。
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