「男性介護」の問題点
2008年05月21日 09:30
以前(4月17日)も書いたように、排泄に関することは介護する側、される側の双方にとって大きな問題だ。
特に、男性が女性を介護する場合においてはきびしい問題である。父の時でも、排泄物の処理には抵抗があったが、母の介護の場合とは、その比ではない。
母は歩行困難による要介護である。認知症の症状は出ておらず、普段は排泄に関する粗相は無いが、体調を崩したりしたときには、やはりトイレに間に合わないことがある。
そんな時、母は「このまま鬱になってしまうのではないか」というくらい激しく落ち込み、しばらくは口もきかない。そっと一人にしておけば、介護用ベッドで横たわったままに延々と泣きつづけている。
そんな母の姿を見るに付け、この時ばかりは「いっそ呆けてくれていたら」と思うほどだ。
倅としてこんなキツいことはない。
差別でも偏見でもなく、いわゆる「下の世話」に関して、女性が男性の世話をするのと、男性が女性の世話をするのでは感覚が全く違う。
男女雇用機会均等法も施行され、病院においても労働形態が変化し、看護婦から看護師へと呼称が変わり、介護の現場では男性のホームヘルパーが登場しているが、ことこの件に関しては厚い壁が存在している。にもかかわらず、なかなか語られることが無い。当然一番口に出しづらい内容だからだ。
私自身も、このサイトを運営している出版社のご配慮により匿名で掲載をさせていただいるからこそ語ることができる話である。
(K)
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