老障介護
2008年05月07日 09:00
最近、老老介護という言葉を耳にする。
共に高齢者である 夫婦・親子・兄弟間で介護する側とされる側になっている状況を指している言葉だ。
ウチの場合は“老障介護”である。
主介護者である私が家を空けるようなことがあれば、その間は要介護3で身体が思うようにならない母親と、「愛の手帳(東京都療育手帳)」3度(中度)の知的障害をもつ弟が、お互い行き届かぬ部分を補いあって生活している。弟は知的障害があるとはいえ、洗濯・掃除などの家事はこなしてくれるし、外からの電話や来客は母が応じてくれる。
以前は、事情を知る知人から「ご苦労されていらっしゃいますね」などと声をかけられると、「苦労はしていますが、世間には珍しくもない程度です」とうそぶいて、ちょっとした自己陶酔に浸っていた。
しかし、現実というのは知ってみるものだ。実際にこれが珍しくもないことだと気付かされる。むしろ、その程度のやせ我慢に陶酔していた自分に自己嫌悪を感じてしまう。
1人で2人以上を同時に介護した経験をもつ方は少なくなく、ご両親共に認知症を患い、寝たきりになった状況で務めを果たした人もいる。
要介護の親、重病の妻、障害のある子など複数の肉親を支えながら、自身の健康が維持できなくなっている人もいる 。
出掛けることもままならず全ての家事を自分でこなし、相談できる相手もロクにいないなんて状態を乗りこえた人だっている。
家を空けることもできれば、健康にもそこそこ自信があり、酒も強くて気分転換に事欠かない私の苦労など、それこそ「世間には珍しくもない」のだ。
(K)
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