排泄に関すること
2008年04月17日 09:00
言うまでも無いが、排泄に関する粗相は介護する側、される側の双方にとって最大の問題点だ。
介護する側の立場で言えば肉体的な徒労はもとより、視覚・嗅覚を伝わって精神に与えられるダメージも非常に大きい。介護を始めた初期の頃は特に挫折をあじわう。介護される側にとっても自身の尊厳が保てなくなりやすく、精神の崩壊につながる要因の一つだろう。
現状の介護保険はこの部分に対する配慮が足りないと思える。
例えば、2006年の法改正で要介護1の認定者から介護ベッドを取り上げたこと。歩行困難で要介護認定を受けている高齢者が夜中トイレに行こうとした時、ふとんからの立ち上がりに相当の時間を費やすことになれば、間に合わないこともあるだろう。こうした事態が繰り返される事により鬱や認知症が発生し進行する。そんな想像力は働かないのだろうか。
同じ理由から認知症の無い軽度の要介護者に対し、尿とりパッドや紙おむつの支給をしないということも疑問だ。
2006年4月から厚生労働省は介護予防を制度に盛り込むとしていたが、再三話題に上がるように、現場の状況を理解しないおざなりな取り組みが不完全な制度をつくりあげていることに早く気づいていただきたい。
介護予防に関しては筋力トレーニングやレクリエーションを強要し、基準の見えづらい評価で介護報酬を減加算するなど、通所施設でも不満の声が上がっている。
最近の報道にも多くあるが、どうも日本の役人は金の使い方が下手だ。ドラマの台詞ではないが「介護は現場で起きている!」と認識してくれるのはいつのことか?
(K)
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