前首相辞任に思う。-できない、ごめん-
介護をしている方に向けて、よく言われる言葉があります。
「がんばりすぎないで」
わたしもこの言葉を使うことがあるのですが、そういえるのは他人だからで、実際、当事者になると「できない、ごめん」とはなかなか言えるものではないのでは…、と思うことがありました。
ずいぶん以前の話になりますが、肺炎を患ったことがあります。ひどい咳でしたが、入院はまぬがれました。診断を受けた直後に、仕事のスケジュールが入っていました。広告関係の執筆で、クライアントやカメラマンのスケジュールもあり、「行けない」とは言えず、なんとか取材をやっつけました。
介護と状況は異なるものの、「できない、ごめん」と言えなかったできごとでした。
フリーランスという職業柄、代わりがいないため似たようなできごとは、その後も何度かあります。
7月の参院選で大勝利した直後、小沢代表が遊説疲れで2日ほど公の場に出てこないことがありました。普通に考えると、「疲れた、ごめん」とは言いにくいタイミング。
確かマスコミからも「無責任では」という声が出ていました。が、2日ほど雲隠れしてもなんとかなるんですね。ある意味、休暇にはよいタイミングだったのかも。
そして9月には安倍前首相の突然の辞任。国のトップでさえも「ごめん」と言えるんだ、と驚き。
わたしなんかが「ごめん」と言えないはずはない…? そう思っていたのは、わたしの勝手な「思いこみ」、あるいは「自己満」だったんだ。
言うには勇気がいりますが、言ってしまえばきっと何とかなるのでしょう。
ただ、前首相の「できない。ごめん」は少々遅かったようです。もう少し早ければ、混乱を最小限に食い止めることもできたのでしょう。
やはり「がんばりすぎない」は大切だと、しみじみと思った一件でした。
(が、安倍さんの件も落着したいま、「できない」と言うのに手遅れはないのだと思います。と、同時にあのとき「できない」と言っていなければ、それこそ最悪の事態を迎えたのでは、とも。)
コメント
「できない、ゴメン・・・」と言えればいいですよね。本当に・・・。
母の遠距離介護をしていて、兄2人いますが、私ひとりがシャカリキに動いています。
いい加減、兄達にも危機感を持ってもらうよう、私もいったん、手を引く決心をしました。
でも、毎日母から電話があるのです。
「できない、ゴメン・・・」と言っても、次の日も同じ内容の電話がかかってきます。
次の日も、次の日も・・・。
しまいには
「できないって言っているでしょう?!
なんで私にばっかり言ってくるのよ・・・○×△□!!」
もう、とてもここには書けない、親孝行娘には程遠い言葉のオンパレードです。
できない、ゴメン・・・。
が受け入れてもらえればいいのですけどね。
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