カルメンが見た涙
2007年09月20日 09:00
夕方、いつものようにカルメンと散歩に行きました。歩いていると、何度か顔をあわせたことのある60代くらいの女性に出会いました。彼女の家にもフレンチブルドッグがいるそうです。だから、ことさらカルメンのことをかわいがってくれます。
今日もそうでした。
買い物の袋を道に投げ出して、カルメンを抱きしめてくれます。お洋服、汚れますよ…、と言おうとしたとき、彼女の目から大粒の涙がぽろぽろこぼれていることに気づきました。
あれっ、どうしたんだろう。
不思議に思っていると、女性はバッグから写真を取り出しました。
「夏の暑い日に、死んじゃったのよ」
かわいいフレンチブルドッグの写真です。
言葉に詰まってしまいました。
留守にしたあいだに熱中症で亡くなったそうです。雄の7歳だったとか。
以来、ずっと家に引きこもっていたそうですが、ようやく気持ちを切り替え、出かけるようになったとのことです。
まだお骨をそばにおいていると言っていました。
「ペットロス」という言葉があります。飼っていたペットが亡くなり、深い悲しみから抜け出せない状況に陥ること。
ペットを飼う人が増え、ペット産業が急速な成長を遂げている昨今。ますます、ペットロスは大きな問題になっていくのでしょう。
同じ体験をした仲間の相談ラインや、専門家によるカウンセラーもあるようです。
こういうわたしも、「もし、カルメンが死んだら……」としょっちゅう考えてしまいます。こんな風に考える人は少なくないようで、ペットがある程度の年齢に達すると、多頭飼いに移行する人も珍しくありません。
女性はカルメンに「久しぶりのいい感触(抱き心地)をありがとう」と言って去っていかれました。
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