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ファイナンシャルプランナー太田差惠子の「お金のチカラ」

介護者の味方、その葛藤

 先日、「遠距離介護」について雑誌の取材をうけました。年間、相当数の取材を受けますが、インタビューが終わりテープを止められたところで、記者の方が「実は、うちも…」と個人的なお話をされることが多々あります。
 今回もそうでした。
 ライターさんは30代くらいの若い女性。母親が祖母の介護をされてきたそうです。現在、介護度が5となり、施設に入られたとか。「最期まで尊厳を大切に、っていうことは、とてもよくわかります。でも、そればかりを考えると、介護者はボロボロになってしまうと思うのです」、と彼女。献身的に祖母のことを介護する母親が倒れないかと心配でたまらなかったといいます。「祖母の味方にはなれなかった。母をかばい、母の味方になることしかできなかった」と、苦しそうな表情で話されました。祖母の味方にもなってあげたい思いがあったのでしょう。

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 彼女と話していて、2年ほど前に同じような話を聞いたことを思い出しました。
 姑さんを同居で介護していたという60歳くらいの女性でした。横にはその夫がいました。女性は、「要介護者の尊厳を大切にしろ、ってよく言われているけれど、それは『介護者』の尊厳をないがしろにすることだと思います」。 
 在宅介護で疲れ果て、施設介護を選ばれたところでした。在宅時代、言葉では言いつくせない苦労があったといいます。隣で、夫が妻の言葉に静かにうなずいているのが印象的でした。

 要介護者の尊厳重視と介護者の関係…。ブログで容易に語れることではありません。でも、介護にはいろんな側面があることは事実なのだと思います。

 このお2人のところは、施設という選択ができましたが、「入所まで数百人待ち」などという現状を考えると、つくづく難しい問題だと思います。
 そして、付け加えるなら、この2ケースではどちらも家族のなかに介護者の「味方」になる方がいました。
 が、「味方」になる家族も、その心中は複雑で、葛藤があるのですね…。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
太田差惠子
(おおた さえこ)
AFP(日本FP協会会員)、介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ(離れて暮らす親のケアを考える会)理事長。高齢化社会においての「暮らし」と「高齢者支援」の2つの視点からの新しい切り口で新聞・雑誌などでコラム執筆、講演活動等を行う。2007年6月に『故郷の親が老いたとき―46の遠距離介護ストーリー』(中央法規出版)を上梓。
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