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ファイナンシャルプランナー太田差惠子の「お金のチカラ」

表札の下に「ベンチ」を施した高齢者リフォーム

 先日、バリアフリーリフォームの取材に出かけました。お施主さんは50代の男性。ひとり暮らしをしていた高齢の母親との同居を決め、その前に全面改装されました。

 バリアフリーといえば、「手すり」を設置したり、「段差」をなくしたり、といったことが定番です。もちろん、それらは大切なポイントですが、最近はちょっとした規模の工事では、わざわざ「バリアフリー」と言わずとも、「当たり前」のように段差撤去などをすることが多くなりました。手すりまでは付けずとも、後付けできるように下地を施しているケースも多くみられます。
 ある程度の年齢になれば、足腰をいためている人が少なくありません。
 誰でも歳を重ねます。「高齢者予備軍」にとって、バリアフリーが「もれなく」付いてくるというのは嬉しいことです。

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 今回取材したお宅は、もちろん手すり取り付けや段差撤去はおこなわれていました。
 母親の居室のすぐ隣に、トイレを設けたり、浴室と洗面室に暖房器具を備えたりと、お年寄りにやさしい配慮が各所に施されていました。

 でも、わたしが一番感動したのは、外構の門のすぐ横、表札の下に置かれた木製ベンチ。母親が、散歩から戻ってきたときに「ヨイショ」と、ひと休みできるようにとの配慮から。テラスの手すりとお揃いの木で造作されており、見ているだけであたたかな気持ちになりました。


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プロフィール
太田差惠子
(おおた さえこ)
AFP(日本FP協会会員)、介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ(離れて暮らす親のケアを考える会)理事長。高齢化社会においての「暮らし」と「高齢者支援」の2つの視点からの新しい切り口で新聞・雑誌などでコラム執筆、講演活動等を行う。2007年6月に『故郷の親が老いたとき―46の遠距離介護ストーリー』(中央法規出版)を上梓。
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