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ファイナンシャルプランナー太田差惠子の「お金のチカラ」

ホスピスの値段

 先日、知人の親御さんがガンで余命いくばくと診断され緩和ケア病棟(ホスピス)に入院し、お亡くなりになりました。
 痛み・吐き気などのつらい症状を緩和することで、人間としての尊厳を保ちつつ、人生の貴重な日々を生きることができるように援助する病棟です。
 「チューブ」も「機械」もないなかでの、とても自然な死だったそうです。

 と、聞いてまず気にかかるのが、料金ではないでしょうか。
 緩和ケア病棟への入院も一般病棟と同様に、公的な医療保険が適用になります。1日あたりの入院費用は4万円弱。たとえば老人保健で1割負担なら4,000円ほど(70歳以上なら月額44,400円が支払い上限で、これ以上は払い戻されます)。

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 ただし、病院によっては特別個室の料金がかかります。無料というところもある一方、1日当たり2万円ほどかかるところも珍しくないようです。これには公的な保険は適用されません。

 もし2万円の個室にはいれば、医療費とあわせて月額65万円。3か月として、200万円。
 この額だけ聞けば、びっくりしますが、終末なので、限られた期間です。
 「わたしの最期はこれがいいな」と、妙に納得しました。葬式を質素にすれば、出せない(家族に迷惑をかける)額ではありません。
 いずれ老後の自身のライフイベント表に書き込むとしよう…。

 と、ここではた、と立ちすくんでしまいます。
 なぜなら、「その日」はいつ訪れるか分からないからです。

 子どものための学費や入学金の支出時期はだいたい想定でき、金額にぞっとしながらも書き込むのは簡単です。
 それに対して、自分や家族の最期は、はるか先と思っていても、実は明日であったり…、「今日」ということさえあります。

 「最期」だけでなく、病気やけがも緊急に起こります。
 そんな事態に対応できるように加入するのが各社の保険だといえるでしょう。
 と、いう理由からファイナンシャルプランナーにとって「民間の保険」も重要な勉強課題です。


コメント


98歳の母は舌癌を患っています。
食事がとれなくなり、口から出血が始まりました。
痛いと訴えるので入院して緩和ケアということになりました。
まずは経管栄養で様子みて、できれば胃婁に、とのことです。
延命は断りましたが上記のことが延命かどうかわからず、
説明を受けただけで胃婁は返事はしてません。
母に管が着けられ、「抜き取るから」とミトンも着用されました。
今日はその手をベッドにしばられ、とてもつらいです。
ミトン着用に関しては承諾書を書きましたが、このまま続けるものか迷っています。
ホスピスはどのくらいのお値段にで入れるのかお教えください。


投稿者: endo | 2007年09月22日 18:57

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プロフィール
太田差惠子
(おおた さえこ)
AFP(日本FP協会会員)、介護・暮らしジャーナリスト、NPO法人パオッコ(離れて暮らす親のケアを考える会)理事長。高齢化社会においての「暮らし」と「高齢者支援」の2つの視点からの新しい切り口で新聞・雑誌などでコラム執筆、講演活動等を行う。2007年6月に『故郷の親が老いたとき―46の遠距離介護ストーリー』(中央法規出版)を上梓。
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