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岡田慎一郎の「古武術介護のトリセツ」 2009年01月

介護技術の実践 ベッドで寝た人を二人で抱える(3)

 前回まで、合理的な抱え方を紹介してきましたが、今回はもっとも負担がかかる「持ち上げる動作」について、なるべく介助者、被介助者ともに負担がかかりにくい動きのポイントを考えていきたいと思います。
 まず、前回のポイントどおりに、胴体から包み込むように被介助者を抱えます。(写真1)

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(写真1)



介護技術の実践 ベッドで寝た人を二人で抱える(2)

 前回は被介助者の上半身の抱え方を紹介してきました。今回は腰から下半身を抱える介助者の身体の使い方を実践していきましょう。
 とはいえ、写真1のように、ただ腰と大腿裏に手を差し入れているだけです。確かにバランスよく持てる位置に手は差し入れてありますが、これで抱え上げるとしたら、やはり力に頼るしかないと誰もが考えそうです。したがって、どこにも工夫がされているようには見えないと思います。

(1)二人目は腰と大腿裏に手を差し入れる(写真1)
okada20090119-1.jpg
(写真1)



介護技術の実践 ベッドで寝た人を二人で抱える(1)

 今回はベッドで寝た人を二人で抱え上げる技術を紹介します。これが技術!?と思われる方もいるかもしれません。確かに、被介助者の動きも引き出すことがほとんど行えない状態ですから、単純な筋力に頼ってしまいがちです。実際に、大柄な方になると、無理をして、写真1のようになり、被介助者、介助者ともに事故の危険性が高まります。
 もちろん、どんな大柄な方にでも行えるわけではありませんが、きちんとした身体の使い方の工夫を積み重ねると、いつもの介護より双方に負担がなく抱え上げることは可能であると思います。

ポイント(1) 力まかせではバランスを崩しやすく、持ち上がらない(写真1)
 まず、上半身を抱える人の抱え方を工夫してみましょう。失敗例(写真1)を見ると、被介助者の肩に一直線に腕を差し込んでいます。そのため、しっかりと抱えることが困難となり、力を入れることもできず、抱え上げることを失敗しています。
 そこで、しっかりと被介助者を抱えることができる手の差し入れ方を工夫してみます。
okada20090113-1.jpg
(写真1)



介護技術の実践 ベッドでの上体起こし(2)

 前回は、上体起こしの時の力任せにならない抱え方を行いました。今回は、実際に起こして、ベッドに端座位にまで誘導をします。
 まず起こし方ですが、手をたすきがけにすると、垂直には起こしにくくなり、自動的に被介助者の動きは、はじめから斜め横を向き、起き上がる体勢からスタートできます。
 今までの上を向いた状態から腕力によって引き付けるようなことがなくなり、負担の少ない起き方になるわけです。そこからは、被介助者を上ではなく、斜め横に誘導するように、自分自身が若干後ろにある椅子に座るような感覚で動きを引き出してきます(写真1)。 

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(写真1)



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プロフィール
岡田慎一郎
(おかだ しんいちろう)
介護支援専門員、介護福祉士。1972年生まれ、茨城県出身。身体障害者施設、高齢者施設の介護職員を経て、朝日カルチャーセンター等の講師を務める。武術家甲野善紀氏との出会いにより編み出した、古武術の身体操法に基づく介護技術(古武術介護)で注目を集める。著書に、『親子で身体いきいき古武術あそび』(日本放送出版協会)、『古武術介護入門』(医学書院)、雑誌掲載など多数。(タイトル写真提供:人間考学研究所)
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