はじめての単独講座
2004年の秋ごろだったと思います。
甲野師範の道場で、少人数での稽古会に参加したときのことです。
その日は主婦の参加者の方が多く、話の流れから介護の技術をすることになりました。
そこで、自分が工夫した方法をいくつか紹介すると、思いのほか興味を持っていただき、
「講座を持ったらどうか」と薦めてくださる方もいました。
数日後、その方からメールをいただきました。カルチャーセンターで介護の講座を開いてみないかという誘いでした。社交辞令だと思っていたので、本当にそう思われていたことにびっくりしました。
甲野師範が講座で介護技術を見せると参加者の反応が非常によかったので、いつか介護専門の講座を開きたいと、知り合いのカルチャーセンターの職員の方と話していたそうなのです。
そんな時に自分と出会い、介護経験者で講師もしているということで、まずは1回講座を開いてみようとなったわけです。
甲野師範にもお話しすると、「どうぞあなたらしく自由に展開してください」と快諾をしていただきました。
講座の開始は年明けの2月で、インターネットでは12月ぐらいから案内が出ていたと思います。
その案内が出てすぐ、まだ講座が始まる前に、ある出版社の編集者の方から取材を受けました。
「古武術に学ぶ介護術」というかなり変わったタイトルの講座なので、トピックス的な1回だけの取材だろうと思ってお話しをしました。しかし、これまた予想外の展開で、この後、医学専門新聞で連載を持つことになってしまったのです。
さらに、講座が始まった時には朝日新聞(日曜版)からも取材依頼があり、かなり大きく扱っていただきました。そのおかげで、全国から反響が寄せられるようになり、カルチャーセンター以外にも病院、施設、自治体、学校などから講習会の依頼がありました。また、他の新聞や雑誌、テレビなどのマスコミからも取材の申し込みがありました。
思わぬ展開に戸惑いつつも、講座自体は和気和気あいあいと進み、受講生の方からも、武術の動きのヒントにした介護技術に可能性を感じてもらえたようで、その後も定期的に講座を開催するようになりました。
このように、今の自分の活動は、戦略的に始めたわけではなく、人のご縁が自然とつながっていった結果なのだと実感しています。今後も無理はせず、人とのつながりを大事にしながら活動を続けていければと思います。
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