自堕落な日々、そして専門学校中退
大学受験失敗、予備校中退、その後入学した専門学校も行ったり行かなかったりの中途半端な日々を送っていた20歳の頃。
ある日の昼休み、学校の門の前でボケッとしていると、誰かが声をかけてきました。
「大丈夫? 何かあったの?」
学校の目の前にある福祉作業所の利用者さんたちでした。かなりの時間を同じ姿勢で、下を向いて、何をするでもなくいたので、かなり心配したとのこと。
「何もやる気がおきなくて、だからボーっとしてしまって…」
とぐったりしながら答えると、
「じゃ、ウチにおいでよ」
と福祉作業所に来るように誘ってくれたのです。
学校の授業に出る気もなかったので、教室からカバンを持ってきて、勝手に早退。
福祉作業所に行くと、
「今日は仕事がたくさんあるから、助かるよ。早速、これをやってよ」
と職員の方に言われるまま、紙製のお弁当箱の組み立てをしました。最初はぎこちなかったものの、慣れてくると、組み立てながら周りとおしゃべりをしながら、どんどんと作業が進んでいきました。
休み時間には、利用者の皆さんとお茶をしながら、悩みを聞いてもらっているうちに、だんだんと気持ちが晴れていく感じがしました。久しぶりに人と接することができたということが嬉しくて、その後、時々福祉作業所に遊びに行かせてもらうようになりました。
かといって、それですべてが解決したわけではありません。実際には、学校にもだんだんと行かなくなり、人を避け、引きこもるような生活になってしまいました。学校に行くふりをして、一応家は出るのですが、一日中、図書館や公園などで時間を空費する、引きこもりと言うより「外こもり」の日々でした。
そんな生活の中、自分に対して何ら先入観なく、接してくれる利用者さんとの交流があったから、何とか自分を保っていられたのかなと思います。
自堕落な生活は2年に及びました。それに終止符を打ったのは、学校からかかってきた一本の電話でした。学校に行っていないことを両親に知られてしまったのです。
当然のごとく激怒の両親。そして、もう中退して、就職しろと言われました。
でも就職のあてもない、何をしたいかも分からない……。
そんな時、福祉作業所の職員の方が教えてくれた情報から、介護の世界への道が開けたのです。
コメント
岡田先生が、今までの理論や形式等にとらわれないで発想がとっても柔軟なのは、原点がここにあったからなのですね。
ほかでは、そんなはずはない・・とか、こうしないと危険等、介護技術に関しても考えかたが固定されがちですが、岡田先生はいかようにでも形をかえてその人に合わせた介護を生み出すところが・・驚異的!
岡田慎一郎 様
はじめまして。
現在、茨城県在住の介護職に携わる小林純(32)と申します。「今、介護では古武術が取り入れられている」と聞き、調べ行き着きましたところが、同県ご出身の岡田慎一郎氏のトリセツでした。
今後、積極的に古武術を生かした介護を身に付け、実践して行きたいという所存でございます。
まずは、お見知り置きを。
それでは失礼いたします。
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