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落合敏の「介護は楽しみながら」

私のブログは自筆

 最近、講演などで、各都道府県の主要都市に行くことが多くなった。そこでいちばん目に入るのが「○○塾」の看板である。
 私の子どもの頃も塾通いの経験はある。
 「書道塾」「ソロバン塾」など。
 さらに、女性の嗜みとして、茶の湯、活け花、鳴りもの一つ(ピアノ、琴など)といい、なかば強制的に稽古に通わされた。週5日は忙しくても楽しいひとときを過ごした記憶がある。
 受験のための塾通いとすべて違い、むしろ教養を身につけることが中心であった。

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 茶道、華道、書道には共通点が多く、私はお手前、花を活ける、書くそのものより、茶道具、花器、書道具、またそれにまつわる諸事来歴を探求することに夢中となった。
 それが高じ、硯(すずり)は自分で製作することを決意し、その道の専門家に弟子入りした。
 石を選び、形を決め、手彫りで形を整え、出来上がった時の喜びは、まさに至福のひとときといえる。
 出来上がった硯で墨をすり、愛用の筆で好みの字を書く。そんな習慣が長く続いたため、日常の鉛筆は2B、ボールペンもも細字・太字用と使い分け、毎日書くことに心の癒しを感じる。
 ワープロに向かうと、文章が浮かばず、手の動きがにぶい。
 ワープロ、コンピューターは苦手で、さっぱり私の生活習慣には入ってこない。
 相変わらず、辞書を引いたり文献を調べたり、納得するまでは時間をかけて調べる。
 そうして原稿に向き合っていると、次から次へと面白いほど筆がはかどる。
 したがって、依頼原稿のすべてが自筆である。もちろんこのブログも例外ではない。
 私は満足だが、編集者はたまったものではない。クセのある下手な原稿では、読みとることもむずかしい。
 「申しわけないなあ!」と思いながらも、いまさらこの習慣をやめることは不可能。お許しあれ。
 一日に一度は、机に向かって何かを書く。このひとときが、至福のひとときなのかもしれない。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
落合敏
(おちあい とし)
栄養学博士。千葉大学講師、茨城キリスト教大学教授などを経て、現在NHP OCHIAI Office代表。「おもいッきりテレビ」をはじめメディアに出演多数。2000年~2004年の4年間、実母を介護した経験をもとに、介護者の視点に立ったお年寄りの食事に関する書籍や介護日誌をまとめたものを上梓。
栄養学博士 落合敏の栄養学研究所 http://www.nhp-ochiai.jp/
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