ことわざと栄養学の意外な関係 その2
「朝茶は七里帰っても飲め」ということわざをご存知だろうか。
朝、お茶を飲んでいないことに気づいたら、たとえ七里の道のりを戻ってでも、お茶を飲みに帰ったほうがよいという意味。
朝、お茶を飲むということは、どれほど大切かを語っている。
お茶に関することわざ・言い伝えは昔から多くあり、例えば「朝茶は福が増す」「鬼も十八番茶も出端(でばな)」など。とくに朝は神仏にも供える習慣もあり、神仏への供え物に値するほどの価値を認めて、朝茶を飲むとその日の災いから逃れられると信じていた。
朝に飲むというのは、お茶に含まれているカフェインの働きが眠気をとり、スッキリした頭になるということがある。また、食後にゆっくり飲むと、口の中の食べかすをとり、口臭をなくすのにも役立つ。
カテキンやタンニンの成分の研究が進んで、タンニンには解毒、整腸、止血、抗酸化などの働きがあり、さらに、カテキンには腫瘍を小さくする効果が認められている。とくにタンニンには、脂質代謝を促進する効果もあるので、お茶をよく飲む人は、皮下脂肪をため込むのが少なくてすむとも言われている。
日本茶も紅茶も中国茶も、同じツバキ科の常緑樹の葉や芽からつくられるが、発酵させる段階で、成分や風味が変わってくる。
日本茶は、葉を乾燥させる前に蒸して、酸化酵素を破壊しておくので、発酵によってビタミンCが酸化されず、タンニンも多く残っている。
お茶として効果が高いのは、緑茶が一番と言える。眠る前に飲みすぎると頭が冴え寝つけなくなるので、夜は麦茶がおすすめ。
紅茶は乾燥の途中で発酵させるのが特徴。このため葉の色は黒く、ビタミンCやタンニンも少ないが保存性は高い。
中国茶は半発酵、つまり緑茶と紅茶の中間である。だからビタミンCやタンニンも緑茶より少なく、紅茶より多いわけで、一般に中国茶にだけ特別の成分があるわけではない。
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