ことわざと栄養学の意外な関係 その1
日本は、四季に恵まれ、海の幸、山の幸の豊富さでは、世界でも指折りの国。多種多様な食べ物が、私たちの食卓をにぎわしてくれる。
また、食べ物についての「ことわざ」や「言い伝え」もたくさんある。
ことわざや言い伝えには、私たちの祖先から体験的に伝えられてきた、すばらしい知恵がこめられている。
そうした知恵について、栄養学的に考えてみると、なかなかすぐれているものがたくさんある。
例えば…。
「匂いマツタケ、味シメジ」。マツタケは秋の味覚のチャンピオン。
その価値を決定的にしているのが、あの独特の香り。成分はアルコールの一種で、マツタケオール、そして桂皮酸メチルの混合物。
また旨味成分のグアニル酸も豊富。これらの成分がマツタケの味の大きな要素となっている。
マツタケは消化が悪いという人もいるが、実はその反対。でんぷんやたんぱく質の消化酵素をもっているので、胃にもたれることはない。むしろ胃腸の弱い人も安心して食べられるが、財布のほうが消化不良をおこしてしまうかも。
マツタケが高価なのは、人工栽培ができないからだが、キノコ類の消費量のなかではいちばん多いといわれている。日本人がいかにその香りを愛しているかがわかる。
消化酵素のほかに、これといって特記する栄養素はないが、その香りにひきつけられ、高い値までつくというのは、いかにも繊細な日本人らしい好みかも。
マツタケの香気は今も昔も認められているが、食べておいしいのは「シメジ」とされている。さらにシメジは、「美容のビタミン」といわれているビタミンB2、ナイアシンが多く含まれているほか、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン(必須アミノ酸)なども含んでいるので、栄養と価格の点からいえば、シメジのほうに軍配があがりそう!
肌のトラブルに悩む人はシメジをどうぞ。
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