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落合敏の「介護は楽しみながら」

おやつの楽しみ

食は楽しみ
 食は“人生の楽しみ”の一つ。
 1日3度の食事はもちろんのこと、おやつはそれ以上に楽しい。
 ほっとするひととき、会話は弾み、おやつの内容の品定めもまた楽しみの一つ。
 至福のひとときと言っても過言ではない。

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わが家のおやつ
 わが家のおやつの定番は、母の嗜好性がかなり大きい、ようかん・和菓子と抹茶の組み合わせ。
 ようかんは練りようかんで、とらやのようかん、日光ようかんなどが多い。
 和菓子はいろいろあるが、とくにつぶあんの温泉まんじゅうや豆大福など。
 ケーキの場合は、チーズケーキとミントやりんご風味の紅茶。
 手作りのかぼちゃ茶巾には麦茶、さつま芋とレーズンの茶巾には牛乳の組み合わせ。
 そのほか、フルーツヨーグルトサラダ、ミックスジュース、ミルクセーキなどなど。
 変わったところで、味噌か醤油をぬった焼きおむすびと、茄子やきゅうり・人参などのぬかみそ漬けの盛り合わせ。それにほうじ茶…など、多種多様であげたらきりがない。

 今考えてみると、平凡ではあるが、充実していて奥が深い。
 その日そのひの天候や活動量などを考え、身近な食材で手早く作る母のおやつは、とても楽しみだった。その時間に食べられないときは、必ず夜食に食べた。
 午後の3~4時頃は、ちょっと小腹のすく時間。夕食までに時間があるので、そのつなぎに速効性のエネルギー源になるおやつは活力がでてきて、元気で家路につくことができる。

飲み物をうまく組み合わせて
 おやつは飲み物を組み合わせることで、主になるおやつの栄養価・味などを引き出し、その価値をより高めてくれる。
 先述の和菓子と抹茶の組み合わせは、和菓子に不足するビタミン類他を抹茶が補い、甘味を引き出し、また多量摂取を抑えてくれるので肥満の予防にもなる。
 濃厚なチーズケーキには、胃の重苦しさを抑えるミントやりんご風味の紅茶がさわやかな香りで適応する。

おいしいだけじゃない 
 かぼちゃやさつま芋は速効性のあるエネルギー源に加え、特に抗酸化のビタミンや食物繊維が多い。
 さらにかぼちゃはいろどりもよく、微量ではあるが各種ビタミンもプラスされ、消化液の分泌を高め、消化・吸収を高めてくれる。
 一方、さつま芋にレーズンを加えることにより、抗酸化成分がより高まるだけでなく、酸味が加わるので食べやすく、牛乳を合わせればさらに胸やけを防いでくれる。
 その他、フルーツ、ヨーグルトサラダ、ミルクセーキ、ミックスジュースなどは、不足しがちなカルシウムやビタミンB群、C、さらに食物繊維などの供給源となり、口当たりがよいので、エネルギー源としてビスケットの2~3枚を添えるとよりよいおやつとなる。
 おやつも1品だけでなく、組み合わせて摂ることにより、心身ともに充実感・満足感が得られるのだ。


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プロフィール
落合敏
(おちあい とし)
栄養学博士。千葉大学講師、茨城キリスト教大学教授などを経て、現在NHP OCHIAI Office代表。「おもいッきりテレビ」をはじめメディアに出演多数。2000年~2004年の4年間、実母を介護した経験をもとに、介護者の視点に立ったお年寄りの食事に関する書籍や介護日誌をまとめたものを上梓。
栄養学博士 落合敏の栄養学研究所 http://www.nhp-ochiai.jp/
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