食器の配置から食べ方の順番まで
子どもの頃の思い出
私の子どもの頃、唯一母の手伝いといえば、食卓の準備である。
母の作った料理を家族それぞれの器に盛り、食卓に主食、汁もの、主菜、副菜、漬物、デザートその他を教えてもらったとおりに並べ、母にチェックしてもらってから食事になる。
図)食器の並べ方・食べ方の順序
メタボ対策にひと肌ぬいで
健康寿命を伸ばすには?
「人は血管とともに老いる」と言われているが、人の寿命、とくに健康寿命(病気や認知症、衰弱などで要介護状態となるまでのこと)と血管年齢は、まさに表裏一体と言っても過言ではない。
この健康寿命を伸ばすためには、生活習慣病の予防・改善が重要なカギとなる。なかでも食生活に気を配ることが大切。
母の手作り半天
昔の女性の教養として、「茶の湯、活け花、鳴りもの一つ」といわれ、私も母から強いられ、学んできた。
ところが母の場合、そのほか和裁、洋裁、編み物もこなし、日常生活に上手に生かしていた。私が子どもの頃は、とくに衣食に関しては、すべて母の手作りだった。また、それがとてもうれしかった。
ひまができると、布団、かいまき、半天など、家族・来客用とたくさんつくっていて、綿入れ作業を手伝った。
なかでも半天は、私も私の友人も、母の手作り半天を喜び、所望した。
綿だけでなく、真綿を加えてあるので薄くてもふんわり暖かく、からだになじみ、心まで暖まる。晩秋、冬期、早春と、私にとってなくてはならない必需品であった。とくに受験勉強に成功したのは、“母の手作り半天のおかげ”と今でも思っている。
何も食べたくないときの一品
介護日誌に救われた
7・8月と遠出の講演が多かったせいか、いつもの私らしくなく、9月に入ったとたんに食欲不振に陥った。
一日何もしないで、ボーっとしていると心にあせりを感じ、母の介護日誌に何気なく目を通しているとき、母が食欲不振のときの食事記録が目に入った。
母が寝た状態が多くなり始めた頃、食欲がなくなり、しだいに小食になってゆくのをみて、しかたのないことと思いながらも、母の好きな食材を用いた料理の試作に懸命だった。
その結果、「かに(缶)入りかぶのおろしスープ」と「アボカド入りミルクゼリー」を好んで食べ、急に食欲が出て元気を取り戻した時のことを思い出した。
久しぶりに私もその料理を食べてみた。懐かしかった想いもあり、急に元気が出て食欲も戻ってきた。
誰でも簡単にできる料理なので、作り方を紹介する。