食欲がないときの食事のポイント
一般に、胃の粘膜は加齢にともない萎縮して、胃液、塩酸、ペプシンなどの分泌量が低下するので、とかく食欲不振になりがちである。
食欲がないときの食事の基本は、比較的消化のよい糖質性食品を主とし、食品は鮮度のよいものを選び、煮る・蒸すなど消化のよい調理の工夫が大切である。
また、胡椒、ショウガ、ニンニクなどスパイスや、梅干し、果物の酸味のある食品を利用し、味は全体的に薄味にして酢の料理を多くし、胃液の分泌を高め、食用増進を図りたい。
たとえば、食欲がないときでも、味噌汁とお粥だけは用意する。味噌汁の香ばしい匂いは、脳の食欲中枢を刺激して食欲をかき立てる。味噌汁のたんぱく質は、発行によってアミノ酸に分解されているために、非常に消化・吸収されやすいという特徴をもっている。
また、発酵食品である味噌には、乳酸菌なども含まれているので、整腸作用もあり、運動不足から来る便秘の予防や解消にも役立つ。
パン食が好きな方には、チーズトーストをお勧めしたい。十分にかめなくても、とろけたチーズが咀嚼を助けてくれる。また飲み込みやすく、良質のたんぱく質やカルシウムも摂れる。
一方、だれにでも好物はあるはず。好きな食べ物が栄養のないものであっても、とにかく食べる気をおこさせるために、それを出してみることも大切。
さらに、食事は食べないけれど、おやつなら食べられるという場合は、おやつだけにしてしまってもよい。この場合、少量でエネルギーが高いものを選ぶようにする。
例えば、甘くて口当たりのよいプリンやゼリー、アイスクリーム、ミルクセーキなどは、食欲がないときでも食べやすい。また、たんぱく質の補給もできるカステラやスポンジケーキなどもよい。
その他、茹でかぼちゃ、にんじん、ホウレンソウなどの緑黄色野菜を裏ごしして、小麦粉に混ぜたカップケーキとか、煮豆やいも類を入れた蒸しパンなども、手軽で好まれる。
和菓子党には、小豆やきな粉などの栄養価の高いものを、のどごしのよい白玉粉やくず粉と合わせた「ゆで小豆入りフルーツ白玉」「白玉の黒みつ&きな粉がけ」などはいかが。眠った状態の胃腸を目覚めさせ、食欲増進のきっかけづくりとなる。
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