私の話を聞いてくれてありがとう
母が、母なりの調子の良さでデイサービスに向かった。昼前頃から雨マークなので、オレは出掛けないでパソコンの前へ。
今日は、週に一度の摘便の日。座薬を入れてもらい、排便を促してもらってから摘便してもらう。母の便秘はかなり強力。もちろんオレも承知している。以前はオレの役割分担だったから。
ただ、最近、この摘便後、母は微妙に貧血モドキになるらしい。顔色悪く、血圧も低下。便ショックとも呼ばれているらしいのだが、認知症ターミナルケアでは付きものでもあるとも聞いている。穏やかな日々が継続するも、心配事が着実に増えてはいる。
さて、6月7日・8日と、岡山市内にある訪問看護ステーションに密着取材することになった。
「断片だけ見てもらっても分からないですよ。2日間継続して一緒してくれるなら、患者さんからも承諾を得ます」
強い言葉だった。凜ともしていた。
断る理由などない。問題は、母のショートステイとの兼ね合いだった。が、なんとか訪看とショートの折り合いがつき、オレは介・看護の現場に密着することになった。2日間で在宅4軒に向かうのは初めて。緊張感が今から湧いてくる。
今、この件での悩みは、カメラを1台増やそうか? ということだ。ニコン2台を仕事用で使用している。ただ、いつも厄介なのがレンズ交換。
部屋全体をカバーするなら超広角。表情を前面に出したいなら明るい標準レンズ。瞳だけを撮りたいならマクロ。1時間勝負の中で、ほんの一瞬を逃したくないのだ。
オレは上級器を扱えないので中級器。それでも10万円だ。悩む。
父を看取って、介護の現場に興味を持った。あれは40歳前後だったはず。初めて訪看・看護師に同行して取材に出向いた日。
被介護者は80歳代のご主人。介護者は同年代の妻。この妻である奥さんからの説教と、最期の一言が忘れられない。
いろんな質問をしてきた。聞くということの大切さは理解していたから、取材は放置して奥さんと向き合った。
結婚は? 仕事は? 子供は? 矢継ぎ早だった。
「野田さんと言うんじゃな。なあ野田さん。人生というのは、結婚して、子供を産んで育て上げ、仕事もシッカリしたモノについて、そうやって段々に一人前になり、立派な人に成熟していくんよ。あんた、フリーターじゃあ、どうにもならんよ」
延々と、こんな感じの説教が続いた。気づいたら、看護師は帰路への準備中。摘便したとのことで、便臭が漂っていることだけは体感。一寸落ち込み気味で、オレも玄関を跨ごうとしたとき、奥さんから一言。
「あんた、見掛けより良い人じゃなあ。私の話を聞いてくれてありがとう。いつでも、一人でおいでなさい」
収穫は0ではなかったのだ。いや、想定外の取材ができた。そして、聞くことの大切さを改めて納得させられた日でもあった。
この日のこと。初心として、忘れないよう心掛けている。
コメント
野田さま
はじまして。
友人から教えられて、最近このブログに寄らせてもらうようになりました。
私は、かなり大きな施設の中間管理職です。
46歳。やもめです。
ブログを読んでいて、我が身を写されているように思える内容に出会うこと度々あります。
結婚して子供を産み 育て
世間では、やはりこの路線が王道なんでしょうね。
私も、冷ややかな視線を浴びていることを肌で感じることがあります。46歳にもなると、声になって反応されることはありませんが。
人生いろいろ とは言いますが、
いろいろでは難しいようです。
これからも、お母さんお大事に!
中間管理職さま
はじめまして。
コメント ありがとうございます。
大規模施設の中間管理職ということは、
特養等の施設長さんあたりでしょうか?
家庭介護の方にまで寄っていただき ありがとうございます。
しかし、やはり 真っ当に生きる
ということの拘り、ポリシーはかなり確立されているみたいです。高齢者の方々の間では ですがね。
とはいえ、
この世に生を受けて感謝極まりないのですが、
正しい生き方を説かれると、
ちょっとキツイ私です。
これからも、ヨロシクお願いします。
野田さん
ボクも
野田さんは
見かけより、かなり良い人だと信じています。
でないと、このブログの内容を書けないですよ。
ただ、かなり頑固であるような想像はしています。
スミマセン(^∧^)
熊夫さま
恐縮です。
見かけがヒールなので、誤解も多いのです(^_-)
頑固?
変箇 なんでしょうね。
いつも、コメントありがとうございます。
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