引っ越しをして3ヶ月
母は今日、デイサービスはお休み。だから今、いつものように私がパソコンに向かう傍にいる。眠っている。口を空けて。入浴椅子に座りながら。
以前から気づいていることなのだが、座っているとき。段々に、母の拘縮した腕が、胸に貼り付いたかのような腕が胸から離れる。引力の法則なのか? 専門家ではないので明言はできない。が、この拘縮も介護者の踏ん張り・頑張り次第では多少は緩やかになるような気がする。実際、2時間も座位を保っていれば、シッカリとタオルを握った手が胃の位置まで下りてくることもある。
もっとも、この事象は、長く寄り添っている者でないと把握できない。デイサービス職員方々はシッカリ認知してくれている。最近は、ショートステイ職員の人たちも。
パソコンから離れて、母の顔をジックリ観察してみた。目ヤニが浮かんでいる。目覚めたら、キレイに拭き取ってやろう。
ところで、寝たきり状態で長く病院に入院してるお年寄りはあまりに多い。老人保健施設などは、リハビリという役割を果たせず特養なりGHなりへの待機所となっている様相。1年以上も生活している人など珍しくない。
で、長期入院してる方々ご家族の不満を聞くこともある。そこで顕著に口にされる声は、
「もう少し、フェイスケアをして欲しい」
つまり、目が開けられないほどに貼り付いた目ヤニ。口周りの汚れ等。
病院は治療する場で介護の場ではない。
と開き直られると、ハイそこまでよ。
でも、一日一回でも、暖かいタオルで顔を拭いてあげることはとても大事だ。本人も気持ち良い。面会する側も、真正面から視線を向けられる。
と記しつつ、オレが関係してきた病院では、父も母も清拭をしてもらい、フェイスケアも万全だったのだけれど。
ある介護施設で働く職員がオレに言った。
「入院中のKさん、久々に面会に行くと“ドロドロ”でしたよ」
ビンゴ!
正に“ドロドロ”なのだ。
かといって、介護施設でも同様のケースはある。
介護の質が問われてる昨今、きめ細かい介護が行われているか? それを探知しようとするとき、オレはこの目ヤニに注目する。
さて、去年に引っ越しをしてから3ヶ月と少しが経過した。季節はもう春爛漫。なんとか、今冬もインフルエンザと無縁で過ごせたようだ。
認知症寝たきり在宅介護に新年度などないのだけれど、知り合いの介護施設のいくつかでは新卒さんが加わった。夢を失わず突き進んで欲しい。
母が目をキョロキョロとさせている。失明しているのだけれど、目は動く。
こんなとき、あり得ないのだけれどオレは想う。
誰かを探してるのだろうか?
目が覚めた。目ヤニを拭き取ってやろう。
コメント
野田さま
シルエットで浮かび上がってますね。
帰宅。
イメージわきます。
いいなあ!
熊夫さま
いやあ、ドンピシャリ
達成感がありました。
これ、本当はコマ送り状態で撮ってます。
連写ですね。
スライドショーで観ると、もっといいんですが ね。
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