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野田明宏の「俺流オトコの介護」

順番

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 時々寄らせてもらうGH(グループホーム)の一室。
 しかし部屋の主は、オレがこの写真を撮る10時間ほど前に亡くなられていた。
 この部屋で、GH職員等に見守られながら穏やかに逝かれたとのこと。
 ターミナルケア。家族が望めば病院への搬送はしない。看取りを怖がらない。看取る・看取らせていただくことまでをGHの役割と考えている。
 この日、以前からGHに寄らせてもらい写真撮影させてもらう予定ではあった。が、早朝、親しくしている職員さんから亡くなられたことを知らされた。そして、予定どおりに撮影してもらっても構いません、とのことでもあった。
 とはいえ、考えた。
 亡くなられた当日に寄らせてもらっても良いのか? 遠慮すべきが良識というものではないのか?
 かといって、この日を避けると新たな予定日は先の先となる。自らの良識という価値観を隅に追いやってオレは出向くことにした。
 「こんにちはー」
 玄関から入り、ユニットのドアを開ける。少し緊張するオレがいた。
 ところが、いつも同様の光景がそこには展開されていた。亡くなられたKさんの姿が見えないこと以外は。
 Kさんの部屋に向かう。手を合わせることはしなかったが、心で合掌。施設側の許可を得、パチリ。
 まだ、Kさんの布団やタンス等が残っていたが、夕刻にはご家族が引き取りに来られるとのことだった。アチコチ、多くのGHを覗いて来たが、入所者方々が持参されるモノはいたって少ない。
 この部屋で、新たな主が生活を始めたのは間もなくであった。
 実は、母がデイサービスへ通える日が一日増えた。週4日だったのが5日になった。我が家的には感謝!
 年末年始。入院されてしまったり亡くなられた方々が複数人あったのだ。
 そうなのだ。辛い現実だけれど、これが順番なのだ。
 いずれ、母の通っている日に誰かが通うようになる。何事もなかったかのように!

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コメント


野田さま

悲しい 哀しい
現実ですよね。

キレイに整頓されたお部屋。
職員さんたちの気配りが伝わってきます。


投稿者: 熊夫 | 2011年03月22日 11:24

熊夫さま

いつもいつもコメントありがとうございます。
なかなか切実ですが、これが自然ですよね。

良い感じのGHです。
でも、どこのGHでも、入居者さんの持ち物は少ないです。


投稿者: 野田明宏 | 2011年03月23日 18:42

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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