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野田明宏の「俺流オトコの介護」

胃ろう交換 新たな病院で

 2月15日。無事に胃ろう交換を済ませた。
 実は、胃ろう造設した病院で前回の交換まで、継続して胃ろう交換をしてきたのだけれど今回から病院を替えた。
 とりあえず、8月24日の記事を振り返って欲しい。 
 このときから胃カメラを飲んで胃ろう交換をすることになったのだ。交換後の表情は悲惨極まった。苦しかったに違いない。あまりに切なく哀しかったので、この瞬時から胃カメラをしないで交換できる病院をオレは探し始めた。
 ところが、よくよく調べてみると、他県のどこかの病院で胃ろう交換時に事故があったらしいのだ。もっと詳しく調べれば、詳細は把握できるはずだけれど、そこまでする必要がないので聞き取りはしていない。
 とにかく、胃カメラで確認しながら胃ろう交換する流れが定着しているのだ。国からなのか厚労省発令なのかも把握していないのだが、胃カメラを飲むことは避けられない方向があるらしい。
 処置室で簡単に取り替える。こんなことは今は昔なのだ。
 もっとも、交換後に胃へ造影剤を流し込んで、ちゃんと填っているか? ちゃんと流れているかを確認すれば良い、との手段もあることをケアマネジャーが仕入れてきた。
 ただし、今回からお世話になることになった病院でも、胃カメラを飲んでの交換が圧倒的とのこと。そこをなんとか、造影剤で確認するという手法で交換してもらった。
 ここまで記してきて、“事故があった”等々と書き連ねたが、間違いがあるかもしれない。それは全て、オレが聞いた伝聞であるから。正しい文献から引用しているわけではないことを承知していただければ、と。
 で、以下のような感じで胃ろう交換は運んだ。
 あまり目にすることもないはず。ここに紹介して胃ろう交換騒動記とする。

処置室に入る前 インフルエンザ等が恐いのでマスク装着
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今まで胃の中にあったモノ
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造影剤を入れて確認中 一番恐い逆流は全くないとのこと
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今回は余裕でありました Photo K.Sakuragi
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New  今、母のお腹に装着してある胃ろう。今回からタイプが代わった。
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 さて、胃ろうについては、延命云々、大手メディアが火を点けたような形で悪者扱いされている傾向著しい。
 口から食べられなくなったら人生にエンドマーク。これが、なにやら論客たちの良識となりつつある。
 しかし、どうなんだろう? 胃ろう造設者、もしくは胃ろう造設した人の家族の声は世間に届いているのだろうか? 聞こえてくる声は、
 「私は胃ろうなどして延命しようとは思いません。ちゃんと書き留めました」
 こうやって、世間の声として闊歩する。闊歩させる。オピニオンリーダーになる。
 だけど、違うな。
 どれだけの家族が、この母に、この妻に、この夫に、もっともっと生きて欲しいと願って胃ろう造設したかの声が封印されている。
 例えばオレ。母と一緒にいられることで、どれだけ癒されてるか。確かに、これまでの介護は辛いことが多かった。だけど、だからこそ、これからを一緒に長閑に、できるだけ長く過ごしたい。 
 胃ろう。母とオレの絆を繋げ、より強固にする生命線。
 2月18日で55歳になるオレにとって、お母ちゃんは一人だけだから。

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コメント


お誕生日おめでとうございます。毎日の介護お疲れでしょう。ご自愛くださいね。胃ろうに関しては私もいろんな考えを抱いています。現在勤務しているGHに胃ろうの方がおられますが、ご家族の思いを考えると複雑です。愛しい人には生きていてもらいたいと思うのは自然なこととも思います。                     介護職としてご家族の思いを大切にしたいと感じました。


投稿者: myu | 2011年02月18日 14:46

野田さま

55歳 お誕生日おめでとうございます。
でも、お母さんとのツーショット
55歳とは? もっと若く見えます。
お母さん84歳。こちらも若く可愛い。
胃ろう交換も無事に終えられ、良い流れですね。
お疲れさまでした。


投稿者: 熊夫 | 2011年02月18日 16:20

55歳 おめでとうございました。
今日を無事に迎え 何の事故もなく無事一日終えようとすることに安堵です。 もちろん、和ちゃんの胃ろう交換も無事で安堵しました。
良い病院で良かったですね。
  
   


投稿者: おけいさん | 2011年02月18日 23:04

こんにちは。いつも見ています。胃瘻の是非についてですね・・・・・・・。私の母も胃瘻をつくりました。息子の私の想い、もっともっと生き続けてほしいという願いからです。本人の意志と家族の願い、どちらも大切です・・・。認知症の本人の選択、決断は困難ですから、どう家族は考えればいいか悩ましい問題です。


投稿者: my男 | 2011年02月19日 09:08

遅くなりましたが、お誕生日おめでとうございます。

胃瘻は悪者ではありません!
私も声を大にして言いたい。
胃瘻を造ったからこそ、四年間の時を父と一緒に過ごせたのだから…
その間に得たものは数限りないと感じています。
おかげで、心穏やかに送る事もできました。
胃瘻には感謝しております。
そんな気持ちの介護家族は沢山いると思うのです。


投稿者: こぶた | 2011年02月20日 05:53

はじめまして
実母を介護しております。いつか胃ろうの選択をせまられたらと、時々考えておりました。
世間では「平穏死」なる言葉も飛び交っており、考え方も介護の仕方も人さまざま・・・。
でも野田さんの愛を感じてすごく納得です。ただ本人の意思はありませんよね。そこのあたりどうなんでしょうかねぇ。


投稿者: ハナミズキ | 2011年02月20日 12:06

myuさま

ありがとうございます。
ハイ。もう、自愛しないとやっていけません。
しかし、GHで胃ろうを受け入れてるとは珍しいですね。
看護師資格をお持ちの方が多いのですね。
ご家族には安心極まりないですよ。
これからもヨロシクお願いします。

熊夫さま

ありがとうございます。
しかし、アラ還の域に達してしまいました。
頑張り 踏ん張ります。

おけいさん

この度は大変にお世話になりました。
和ちゃん共々、今後もヨロシクお願いします。

my男さま

いつもコメントありがとうございます。
で、やはり、家族は感情に支配されているわけですから、感情のままに進むしかないような気がします。

こぶたさま

ご多忙の最中、コメントありがとございます。
胃ろうについては、
こぶたさんのブログを読んだ方が切実感ですよね。
お父上、今頃、楽しい旅をされてますかね?
もう到着?
大いに羽根を延ばされていることと思います。
お疲れさまでした。
最後、お姉さんと一緒だったんですね。
良かった!

ハナミズキさま

はじめまして。
本人の意志については難しい現実があると思います。
認知症を筆頭に、発病する以前、つまり元気な頃は前向きな発言や気持ちでいられます。
とはいえ、いざ発病すると決断も揺れるのでは?
その場の状況によって左右されると、私は考えています。
決めてたけど、止めた。
と言える環境も必要なような です。
ありがとうございました。


投稿者: 野田明宏 | 2011年02月21日 09:52

生きられる限りの人生を歩むのが人の権利であり定めでもあると思います。生きられるご縁にめぐり合ったのだから、精一杯生きる覚悟を持とうと思う。同時に精一杯生かすのだったら、相手と正面から向き合い逃げない覚悟も必要だと思う。その問いかけがあるのみで、悩むことも多いのですが、そういうことをかみ締める私が今日も生かされています。寒くなるのでご自愛ください。


投稿者: ヒゲさん | 2011年11月19日 09:49

はじめまして。父も先日交換しました。胃ろうして一年、父の場合、馬力があり看護婦さんと姉も中に入り三人がかりで胃カメラしましたが、涙をこぼす父が可哀想で次回からはバルーン型なら胃カメラをしなくてもいいと教えてもらいました。あと一回心配しなくてはなりません。父にとっては命がけの交換で本当に心配しました。


投稿者: 荒木 | 2011年12月17日 23:57

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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