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野田明宏の「俺流オトコの介護」

ショートステイ

 今朝、母をショートステイに託してきた。7月9日より12日まで。12日午後に帰宅予定。 
 今回のショートステイ利用は、純粋にオレの休養のため。先月。母には三泊四日を二度してもらったが、二度ともに、オレが東京へ仕事の打ち合わせで出向かなければならなかったから。
 この連載は6月4日に始動。6月1日。ワイドショー的な表現を借りるなら、この連載担当の『美人編集者T女史』と最後の詰めをしなければならなかったのだ。
 とはいえ、母をショートステイに託すとき、いつも後ろ髪を引かれる思いだ。というのも、母は最近、噎せ・咳きこむことが多くなった。日常的になってきている。唾液を上手くゴックンできないのだ。まあ、今のところなんとか自身で消化できている。季節の変わり目に来る大発作的なモノとは根本的に異なるから。
 オレが後ろ髪を引かれる理由。その噎せ・咳き込んでいるとき、母のそばにいてやれないことだ。我が家では、必ずオレがいる。母のベッド下にいつも。
 デイサービスでも、職員の目線が母から切れても、咳き込めば直ぐに職員が把握する。狭い。だから、誰かが二メートルも離れていない所にいる。
 しかし、ショートステイは違う。直ぐお隣に利用者さんはいるものの、職員の詰め所まではかなりある。母が噎せ・咳き込んでも聞こえる距離からほど遠い。
 母が一人切りで噎せ・咳き込んで苦しんでいるのか? と想像するだけで心が痛む。特に、母がいない我が家にオレ一人でいるとき。東京では、あれやこれやに追われているので母を忘れてる時間ばかり。だけど、オレ自身の休息のとき、オレは母に罪なことをしてるのでは? と考えてしまう。
 オレ自身の休息は絶対に必要だ。身体が悲鳴を上げてるのはオレ自身が一番理解も納得もしている。でも、罪を背負ったかのような? そして、こんな想いをしているのはオレだけではないこともオレは充分に知っている。
 在宅介護。本当に奥が深い。この奥の深さに介護職人たちがもっとビビッと来てくれれば、在宅介護最前線の未来は明るくなると確信する。
 アッチャー!! なんだか今回は偉そうなことを書いてしまったけれど、写真のお二人。今朝、ショートステイでパチリンコ。母とはとっても仲良しな介護職人さんたちなのです。ありがとう。
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コメント


「母が一人切りで噎せ・咳き込んで苦しんでいるのか? と想像するだけで心が痛む」の気持ちは私もよくわかります。私の母親を有料老人ホームへ入れてからずっと、孤独な施設生活を無理強いしてしまったと、罪の意識がつづいていました・・・。野田さんのように篤い介護はしてなかったですが・・・。


投稿者: まつ | 2010年07月10日 12:43

夜勤中よりコメントさせて頂きます
お母様お変わりなくすやすやと休まれています
今日も暑い夜で0時に少し背中に汗をかかれて
いたのでタオルを入れて様子をみていたら
30分後汗が引いてさらっとしていましたよ
痰もからんだ様子ないようです

ご家族が安心して過ごして頂けますように
ご家族の立場になって介護をおこなえたら・・・
といつも思っています

息子さんならこんな風に声掛けするのかな~
『かずちゃん~♪』なんて呼ばせて頂くことも
あります

それではそろそろ失礼します・・・
かずちゃんの様子も見てきますね

下の写真のもりりんでした


投稿者: もりりん | 2010年07月12日 04:34

まつさま

いつもコメントありがとうございます。
なんかですね、これってどうしようもないんですね。
託してしまったのだから、切り替えれば楽なのに、
それができない。
とはいえ、ショートステイに預けてるにもかかわらず、
8年間のリズムを替えることできずで、
夜中
ハッ! 和ちゃんは?
などと起きてしまう。
これも一種の病なんでしょうね。
困ったもんです。

もりりんさま

今、10時過ぎですから、申し送りをされて帰路につかれている頃かと?
いつも、細かいところまでのご配慮ありがとうございます。
「和ちゃん〜♪」
そう呼ばれて母は幸せだと思います。
これからも、そう呼んでやってください。
8月、お盆期間の予約もそちらに入れました。
今後もヨロシクお願いします。


投稿者: 野田明宏 | 2010年07月12日 10:28

初めまして、いつも人たるものの深~いお話、読ませていただいています。自分だったら・・・なんて考えたりして・・・
私の母も兄と2人で暮らしております(なんとか元気ですが・・・)。なかなか兄弟には母への愛情を見せる事がない兄ですが、それなりに大変なのではないかな、とも思うようになりました(私も兄になかなかありがとうを言えておりませんが・・・)。
これも、野田さんの記事などを読ませていただいたおかげかな。
今後も読ませてやってくださいね。宜しくお願いします。


投稿者: てるてる | 2010年07月12日 13:49

てるてるさま

こちらこそ はじめまして。
♩人たるものの深〜いお話♬
ウームム
どうなんでしょうか? というより、そんな気は全くないのですが? 
ただ、介護について、軽いタッチで描けない筆力不足なのかもしれませんね。
で、お兄さんへの ありがとう。
大変、根性と努力が必要かもしれませんが、一度、まず一度、ささやく程度でもOKです。
お兄さん、必ず喜ぶはずです。お試しあれ!
では、今後もこのブログ、ヨロシクお願いします。


投稿者: 野田明宏 | 2010年07月13日 10:18

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
野田明宏
(のだ あきひろ)
フリーライター。1956年生まれ。約50カ国をバックパックを背負って旅する。その後、グアテマラを中心に中央アメリカに約2年間滞在。内戦下のエルサルバドルでは、政府軍のパトロールにも同行取材等etc。2002年、母親の介護をきっかけに、老人介護を中心に執筆活動を開始。2010年現在、83歳になる母と二人暮らしで在宅介護を続ける。主な著書は『アルツハイマーの母をよろしく』『アルツハイマー在宅介護最前線』(以上、ミネルヴァ書房)など多数。『月刊ケアマネジメント』(環境新聞社)にて、「僕らはみんな生きている」連載中。
http://www.noda-akihiro.net/
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