ボランティアで交流の輪を
最近、母のもとを訪ねると、気持ちが悪いくらい機嫌が良いので、「どうしたことか」と首をかしげています。ほんの少し前まではグチばかりこぼしていたのですが……。
新年度になって、施設にはたくさんのボランティアの方や、研修と称して企業や中央省庁の公務員が訪れるようになりました。先日は、ある中央省庁の公務員の方が話し相手になってくれたと、喜んでいました。
「新入社員は仕事に慣れるまで大変ね」
孫と話している気分のようです。
また、ボランティアの方は、アロマテラピーのオイルを用いて、肩や首、腕などを丁寧にマッサージしてくれました。
日常生活でないと困るほどではないけれど、アメやビスケットなど、ちょっとしたお菓子がほしいと思った時も、お金を渡せばボランティアさんがコンビニまで代わりに買い物に行ってくれる制度もできました。
「本当にありがたいわね」
三度の食事と、おやつの時間以外、ほとんど自室で過ごしている母にとって、生活に変化が出てきたことは、気持ち的に少しプラスになりました。
一方のボランティアも、おいしい思いを受けられる“一石二鳥”な取り組みが、各自治体で広がっています。
東京都稲城市では2008年から「稲城市介護支援ボランティア制度」がスタート。
ボランティアに登録して、活動が終わったら、スタンプを押してもらいます。スタンプは、年間上限5000円まで現金化されます。有償にするとボランティアの意味がなくなるという意見もありますが、市民への参加を呼びけるのには効果的だと思いました。
1000ポイント以上たまったら、地元のサッカーチーム「東京ヴェルディ」のチケットが数名もらえるプレゼントもありました。サッカー選手とサッカーファン、地元で介護にたずさわる人たちの、交流できる場ができたことは、とても素晴らしいと思いました。
村田さんの本ができました!
アラフォーおひとりさま週刊誌記者を突然襲った母親の介護……。切実な実体験+介護施設の選び方、仕事との両立方法など介護情報満載。
『おひとりさま介護』河出書房新社
定価1,575円(本体1,500円)ISBN 978-4-309-01989-5
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