難しい二者択一
先週のコラムで「仕事を続けるためにも施設の入所は欠かせない」というテーマで、施設入所を阻む壁となっていた医療行為が解禁になる話を書きました。
厚生労働省は、医師や看護師しかできない「たん吸引」などの医療行為の一部を、特別養護老人ホームの介護職員が担うことを特例として認める方針を決めました。
4月中にも都道府県に通知する予定とのことですが、通達をよーく読んでみますと、認められる行為で「たん吸引」は、口腔(こうくう)内、咽頭の手前まで。「胃ろう」については、チューブ接続等は看護師が行う、と書かれていましたので補足しました。
どの行為までを誰がやるのか、やはり文章だけでは不明瞭です。デリケートな問題でもあるので、入所中あるいは入所したい施設では、今後どのような体制になるのかも含めてケアマネジャーに確認をすることが大切ですね。
さて、「たんの吸引」や「胃ろう」は医者に勧められるままに行ってしまう人が多いと聞きました。設置してしまってから、デイサービスが使えないなどの問題に直面し後悔する人も少なくありません。病院では退院後の生活をどうするのか、主治医やケースワーカーと相談をしながら治療を勧めたほうがいいと思います。
母が入院した時、治療をする時には主治医は「その処置を施したら治療後どんな生活を送れるのか」と、逐一説明してくれました。
介護サービスを受けられないのであれば、その治療は受けるのを止める、という選択をするのでしょうが、治療を施さなければ病状が悪化するのであれば、受けざるをえないでしょう。難しい二者択一を迫られるのですが、我が家の場合は母の年金がほとんどないので、私の収入がなければ生活が成り立ちません。やはり私が「働く」ことを前提に母には治療を受けてもらうことになるでしょう。
このような介護者にとって難しい問題はひとりで解決しないで、ケースワーカーやケアマネジャー、きょうだい、職場の上司など、時間の許す限り相談をしてから結論を出したほうがいいと思いました。
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