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村田くみの「シングル介護のホントのところ」 2010年04月

老後の住まい

 最近は「老後の住まい」をテーマに取材をしています。介護が必要になってから入る、自立のうちから入る施設と、大きく二つに分かれます。名称もざっと10種類以上はあって、違いを知るだけでも一苦労です。
 介護が急に必要になってから慌てて見つける方たちがいる一方で、「まだ介護は必要ではないけれど、今の自宅で住むのは心細いので安心できる住まいに引っ越したい」という高齢の方、あるいは子供たちが親の住まいを探すケースが多いようです。
 私の場合は前者の「介護が急に必要になってから慌てて見つけた」タイプです。
 母は倒れて入退院を繰り返すようになってから、自宅での生活は厳しくなってきました。なぜかというと、三度の食事を自分で作ることができなくなり、ふとんから起き上がったり、部屋の中の生活が困難になってきたからです。自宅のバリアフリー改修が無理なことから退院後は、特養のショートステイを利用していました。ところが特養の雰囲気に馴染めなくて、部屋をたずねるとグチばかりこぼしていました。母はまだ70代の半ばで、周りの入居者は80代~90代がほとんど。要介護度も重い4~5の方ばかりで、比較的軽い「要介護2」の母は、本人いわく「浮いた存在」だったようです。
 自立の方が「老後の住まい」を選ぶ際、最も気にするのが、この点です。
 今、入居待ちなしで入れる施設は「介護付き有料老人ホーム」です。そこに暮らす重い要介護度の方たちと共に生活ができるのだろうかと、見学に行った時、躊躇するのだそうです。住まいを考慮する際には、費用や設備の面ばかりを見てしまいますが、実際に住む側の立場に立って見ると、入居者同士うまくやっていけるのかはとても大事な要素です。
 母の場合、幸い同じ世代の入居者やヘルパーと打ち解けましたが、仲良くなったと思ったら、入居者の一人は別の施設に移り、ヘルパーも人事異動で別のフロアに代わってしまいました。施設の中で円滑な人間関係を築くのは、思ったよりも難しいようです。



施設での火の用心

 介護施設での大規模な火災が相次いでいます。昨年3月「静養ホームたまゆら」(群馬県渋川市)での火災では7人の入所者が亡くなりました。



難しい二者択一

 先週のコラムで「仕事を続けるためにも施設の入所は欠かせない」というテーマで、施設入所を阻む壁となっていた医療行為が解禁になる話を書きました。



入所のハードル

 介護をしながら働き続けるためには、一定期間でもショートステイに入所をしてもらうことが求められるのですが、入所にはハードルがあります。



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プロフィール
村田くみ
(むらた くみ)
1969年東京生まれ。会社員を経て1995年毎日新聞社入社、週刊誌「サンデー毎日」所属。主に経済、環境、介護の問題に携わる。現在、母親の介護に従事しながら、介護の体験記、介護者に役立つ情報を適宜発信中。
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