はなしスイッチ
もう5月ですね。早い…最近1年が早すぎます!
鹿児島はそろそろ梅雨入りの気配がしてきました。
洗濯が外に干せなかったり、買い物が多い時ほど大雨が降ったり…
ヘルパーとしては結構憂鬱な時期です。(´_`。)
そんな憂鬱を吹き飛ばしてくれるくらいかわいいおばあちゃんがいます。
クニ「おはようございます!」
おば「ぐ〜…ぐ〜…」
熟睡してる〜!!(´ε`*)
チャイムも押して大きな声で挨拶しながら入ってきたのに全然気付いてないおばあちゃん。
かわいいのでちょっと寝顔を見ていると
おば「はあっ!…え〜と、クニヒロさん?」
名前覚えててくれた〜!( ̄▽ ̄*)ノ♪
嬉しくなってニコニコしている私を寝ぼけまなこで見つめるおばあちゃん。
このおっとりしたところが基本性格なのですが
おば「そういえば!この間デイサービスでこれ作ったの!」
突然の叫び。
おば「それでこう作ってね…私裁縫が大好きだから。あ!このバッグなんかもね昔作ったんだけどこの布をこう折って…ほら!バッグになるでしょう?これ私が発明したのよ。親戚にもいっぱい作って配って…ああ!あのおばさんどうしてるかしら?おばさんてね…」
そう、おばあちゃん
スイッチが入るとお喋りが止まらなくなるのです。
楽しそうに生き生きと話すおばあちゃん。
途中で制止するのも悪いので最初の頃ずっと話を聞いてしまい時間が過ぎてしまったこともありました。。。
でも終わりのスイッチもあるおばあちゃん。
おば「それでこの間………。ご飯食べようかね」
話突然終わった〜!w( ̄▽ ̄;)w
スイッチがいつ入っていつ切れるのか私には全くわからないのですが、そのギャップがまたかわいいと思ってしまうのです。
そんなおばあちゃんのスイッチが全く入らない日がありました。
訪問した時からおはようと言ったきり何も喋らずずっとベッドに座って下を向いているのです。
思いきって聞いてみました。
クニ「何かあったんですか?」
おば「…夢を見たの」
クニ「怖い夢だったんですか?」
おば「家族でね、昔よくいった山道を車で走ってるの。お父さんを迎えに行ってみんなで出かけようってわくわくしてるんだけど…ずっと同じ道なの。どこにも行けないの。おかしいなあ。」
私はハッとしました。
旦那さんを半年前に亡くしたおばあちゃん。
おば「最近はずっとこう。ウトウトして夢を見て起きて、の繰り返し」
普段おっとりして明るいので忘れてしまうのですが、旦那さんを亡くしてからそれは落ちこんで体調を崩し始めたのでヘルパーが入ることになったという経緯があるのでした。
表のおばあちゃんだけを見て分かったような気になっていましたがおばあちゃんは深い悲しみを受け入れるために闘っている最中なのかも知れません。
おば「でもね、誰か来てくれると元気がわいてくるんだよ」
おばあちゃん…そんなもったいない言葉をありがとうございます。
多分昔はお喋りが大好きではつらつと働いて家族を守ってきたおばあちゃん。
スイッチが入る時はその元気いっぱいのおばあちゃんになってたっぷりお喋りをしてスイッチが切れる時はふとお父さんのいない現実に引き戻された時なのかもしれません。
私にできることは何もないけれど、おばあちゃんのスイッチが入る時間が少しずつ少しずつ長くなっていくといいなあと願わずにはいられないのでした。
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