ありのままの自分
「笑顔の向こうに」の回など何度か登場してくれている基本姿勢不機嫌なおじいちゃん。
通い続けた成果が出てだんだん関係が友好的になってきました♪…なんてことは一切なく。相変わらず不機嫌なまま、怒られ続けているままです。
この間も通院介助で病院に付き添った時のこと。
おじ「あ〜もう!無理矢理連れてこられた!!」
とご立腹の様子。
でも離れて座るわけにいかないし…と隣にそっと腰かけると
おじ「あ〜!!イライラするっ!」
Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
隣に座っただけで、何もしていないのにイライラさせてしまった。。。
もう私の存在自体がダメなんでしょうか。
仕方ないのでおじいちゃんの視界に入らないよう斜め後ろに座って見守っていたのでした。
そんな中でもベテランの先輩ヘルパーさんたちは違います。
この間先輩が訪問した時のこと。
先輩「おはようございまーす」
おじ「ああっ!?」
しょっぱなからすごく不機嫌。
まだ何もしてないんですけど…と思いつつおじいちゃんの様子を観察する先輩。
すると
先輩「もしかして…具合が悪いの?」
おじ「そう、そうだ!」
さすが先輩。瞬時におじいちゃんの体調の変化に気付きました。
(私だったらいつものイライラと見分けがつかない(;゚□゚))
おじ「か、かかか…、もう〜!!」
憤りが頂点に達してしまいどこが悪いのかも言えないおじいちゃん。
体をぐねぐねうねらせています。
先輩「…かゆいの?」
おじ「そそ、そう!そうだ!」
言葉は通じなくとも先輩は見事に言い当てます。
おじいちゃんが以前からかゆみが出ると塗っている薬を探し出しおじいちゃんに塗るよう促しました。
おじ「ぬ、塗ってくれ!背中!背中!」
先輩「分かった、分かったから落ち着いて〜」
興奮するおじいちゃんをなだめつつ先輩はおじいちゃんの背中に薬を塗りました。
これで落ち着くかと思いきや
おじ「もっと!もっと!」
そう言っておじいちゃん、なんとズボンとパンツまで脱いで全身に塗って欲しいと要求してきたのです。
先輩の前で生まれたままの姿になったおじいちゃん。
呆然とする先輩…。
しばしの静寂が流れたあと
先輩「…はいはい。じゃあ塗ろうね」
そう言って先輩は子供に接するがごとく優しく全身に薬を塗ってあげたそうです。
かゆみもおさまりやっと落ち着いたおじいちゃん。
ご機嫌で先輩の作った昼食をほおばっていたそうです。
先輩「すごく安らいだ顔をしていたよ…。」
クニ「そりゃそうでしょうねえ」
先輩「っていうか、見せたかったのも入ってるよね!?」
クニ「完全にそうでしょうねえ…」
わがままを聞いてもらい、お気に入りのヘルパーさんにありのままの姿を受け入れてもらい、美味しいご飯を作ってもらう。
ああ、私も年をとったらそんな優しいヘルパーさんに訪問してもらいたいよ!
なんだかおじいちゃんがうらやましくなってしまったのでした。
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