女子のお楽しみ
「甘くってもいい?」の回で登場したなかなかダイエットに成功しないおばあちゃん。
相変わらずダイエットは成功しない毎日を送っているようです。
そんなおばあちゃんのお楽しみ、今日はお買い物デイでありました。
普段、室内を杖をついてゆっくり歩いているおばあちゃんは介助なしでは外出しません。
なので月に1度ヘルパーが同行して外に買い物に行くのをとても楽しみにしているのです。
クニ「おはようございます!」
おば「はい!」
玄関を開けると準備万端、満面の笑みでスタンバっているおばあちゃん。
(いつもはなかなか玄関を開けてくれないのに…)
どれだけ楽しみにしているのかが伝わってきます。
待ちきれないおばあちゃんの手を引きつつタクシーを拾い街へ。
まずは銀行でお金をおろし、薬局に行ったら次は一番のお楽しみ、
ダ○エーに入店!!
ここはおばあちゃんにとってパラダイスヾ( ̄∀ ̄*) ノ
いの一番に食品売り場へ直行です。
おば「わ!うわあ〜これ美味しそうねえ」
綺麗に並ぶお惣菜に目がキラキラと輝いている。
おば「これいい!全部の種類二つずつ買うわ!」
それは佃煮や味噌にちりめんが入っている瓶詰めのご飯のおとも達。
3種類を2個ずつ、合計6個の瓶を大事にかかえるおばあちゃん。
クニ『ふ、太りそう…』
でもいいか。とりあえずドクターストップはかかっていない訳だし。
おばあちゃんの唯一の楽しみだもんね。
その後も存分にお惣菜コーナーを満喫し嬉しそうに店内を歩き回っています。
クニ「疲れませんか?車椅子借りてきましょうか?」
おば「大丈夫!平気よ、わたし」
家ではすぐに疲れたとかあそこが痛いとか弱気なことを言っているおばあちゃんですが今日は本当に頼もしく見える。
やっぱり外出してお買い物するって女子にとっては心踊ることだよね。
それが自分の意思で好きな時にできなくなるなんてどんなに辛いだろう。
でも今この時はおばあちゃんが心から楽しんでいるのが本当に伝わってくる。
こういう時間をできるだけ多くとれるといいなあ。
そんな事を思っているとおばあちゃんの目がまたきらんと輝きました。
おば「あれにのりたいわ!」
おばあちゃんの指差した方にはマッサージチェアのお試しコーナー。
クニ「おばあちゃん、大丈夫?のれますか?」
おば「だいじょうぶよ!テレビで見てやってみたかったの〜」
ウキウキしながらゆっくりとマッサージチェアに腰掛けたおばあちゃん。
おば「うわっ、うわあ〜気持ち悪い〜」
ぐいぐい動くマッサージチェアにびっくりしながらもハイテンションで楽しんでいます。
ああ、良かった。またおばあちゃんの楽しそうな姿が見られた……ん?
さっきまで子供のように笑っていたおばあちゃんが急に黙ってしまいました。
そしてどんどん暗い表情に。
クニ「どうしたんですか?具合悪くなっちゃいましたか?!」
おば「お……」
クニ「え?」
おば「おきられない…」
!!!∑( ̄[] ̄;)
なんとおばあちゃん太っている体がすっかり椅子にはまってしまったうえに自分の重い体を起き上がらせる力がなくて身動きがとれなくなっていたのです。
気付いた店員さん(男性)が駆け寄って来て私と二人がかりでおばあちゃんを引っぱり…なんとかおばあちゃんを救出しました。
その帰り道。
おば「私…やっぱり痩せようかしらね…」
おばあちゃんが真剣な顔で言いました。
椅子から起きられなかったこと、予想以上に自分の体が重くなっていたこと。
何よりそんな理由で男性に助けてもらったことがとてもショックだった様子。
おばあちゃんの乙女心が深く傷ついたようです。
そうだね、少し痩せた方がいいのかも知れない。
これからもたくさんお散歩して欲しいから。。。
でもいつまでも乙女心を失わないおばあちゃん。
なんだかとてもかわいく見えたのでした。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。