愛を感じる
私が東京から九州へ移住してきて1年が経ちました。
最初は方言や食べ物や土地勘など分からない事だらけで本当に戸惑いました。
思えば去年の今頃。。。
まだヘルパーを始めたばかりでなんにも分からなかった私。
ある利用者さんの家へ訪問した時のこと。
その日は本当に気持ちよく晴れていて絶好の洗濯日和でした。
クニ「久しぶりに布団も干しておこう」
今日の私はなんて気が利くヘルパーなのだろう。(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ
ちょっぴり自分に酔いながら意気揚々と布団干しに精を出しました。
すると
おば「きゃあー!」
背後からおばあちゃんの悲鳴が。
おば「布団!干したらだめ〜!」
えっ…どうしよう!何か特別高価で日光に弱い布団だったとか?!
申し訳ない気持ちでおばあちゃんを見ると
おば「はい…灰が降ってるでしょ〜!!」
!!!! w(゚ロ゚;w
実は鹿児島に移り住んだ私。
鹿児島といえば桜島という活火山が市街地の近くにあり年中降灰があるという特別な地域。
でも新参者の私は「晴天=洗濯がよく乾く♪」
という図式しか頭になく…灰が降って布団につくとそれを払い落とすのに大変!なんて全く頭になかったのです。
鹿児島では晴れ、くもり、雨、雪などの通常天気の他に「灰」というものがあり天気予報でも今日の風向きだと灰はこの地域に降るでしょう、という灰予報があるくらいなのです。
ベテランのヘルパーさんはそこまで読んで洗濯を外で干すか中で干すかを見極めているという。
そんな高度な技つかえねぇぇよおお!
…しょっぱなから不安になった私でした。
また別の日。あるおばあちゃんの家で買い物を頼まれました。
おば「つわ買ってきてね」
……つわ???
初めて聞く言葉です。でもスーパーで頼まれた買い物だから野菜だろうかそれともお惣菜?日用雑貨の名前(・_・?
クニ「すみません、つわって…なんでしょうか?」
おば「えっ…つわ知らないの?!ぶっ。ふふふふふ!ははははは!」
おばあちゃんが幼少の頃から使ってきたつわという言葉…
私が知らないのに驚き過ぎておばあちゃん、笑いが止まらなくなってしまったのです。( ̄▽ ̄;
結局おばあちゃんの爆笑でつわの正体は教えてもらえぬままその日は帰りました。(つわの件は吹っ飛んでしまったようです)
そしてつわの謎は解けぬまま、以前「その技を教えてください」の回で登場した頼み事上手なご夫婦の家に行った時
おば「つわ?家にあるわよ」
クニ「えっ!本当ですか?見せてもらえませんか?」
おじ「じゃあこれ持って」
渡されたのは軍手とスコップとビニール袋。
ん?これは一体…と思っていると庭からおじいちゃんの声が
おじ「ほらここ!つわ、生えてるから!」
なんと“つわ”とは正式名称「つわぶき」というキク科の植物でフキに似ている(煮物などにして食べると美味しい)植物のことだったのです。
おじ「庭に年中生えてるからなあ」
お店でも売っているそうですがまさか実物が生えているところを見せてもらえるとは。
そっか〜謎が解けてよかったわ〜(*゚▽゚*)と私が感動しているとおばあちゃんがニコニコしながら話しかけました。
おば「じゃ、少し刈ってみようか」
そ、そのための軍手とスコップだったのかあ〜!(゚Д゚;)
そのまま頼み上手なおばあちゃんにつわ刈りを頼まれ、教えてもらった手前断ることもできず…また術中にはまってもくもくとつわを刈ってしまうのでした。
こうやって少しずつその土地のことを利用者さんから教えてもらう事は本当に楽しかったです。
そして教えてくれる時の誇らしげなおじいちゃんおばあちゃんの顔。
それを見るとその土地を愛する気持ちが伝わってきてまたほっこりしてしまうのでした。
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