その技を教えてください
人にものを頼むのが上手な人っていますよね。
私は上手に人に甘えられないタイプなので苦手な方なのですが…そんな私が尊敬してしまう利用者さんがいるのです。
我が事業所の利用者さんいち、人にものを頼むのが上手なご夫婦!!
このご夫婦はお二人とも介護サービスを利用していて今日はお母さん、明日はお父さん…という感じでほぼ毎日ヘルパーが入っています。
このご夫婦のすごいところは普通家事に精通していない男性であるお父さんも細かく仕事の指示ができるところ!
おじ「今日は買い物をお願いします。紙に書いてありますからね。」
と言われ紙を見ると、砂糖はどこどこのメーカーで金額はいくら、タイムサービスでいくらの卵1パック…など事細かに書き込まれているのです。
ふと横を見るとチラシに○や×など熱心にチェックを繰り返した後が…!
さらに
クニ「ここに書いてある『お刺身』ですけど種類はなんの魚…」
おじ「ああ!それ今電話して話通してあるから!ウチの名前出せば用意しておいてくれるから」
なんとお父さんお店に電話までして本日特売の刺身を取り置きしてもらっていたのです!!(゚ロ゚屮)屮
しかもそのお店は昔から馴染みの個人店などではなく大型スーパー。特に知り合いでもない店員さんに電話で話をつけたらしい…。
私なら絶対できない〜!!(T^T)
ここまでされたら慎重に間違いのないよう一生懸命買い物していまいますよね。
一方お母さんもかなりの頼み事上手。
おば「今日はいつも通りのお掃除でいいわ〜」
と言われ慣れたのでほっとして時間を計算しちゃんと終わるように掃除をすすめる私。今日はいい仕事ができたな〜と切り上げようとすると
おば「あ…!その雑巾!ついでに窓拭いてくれないかしら?」
やっぱりね〜!いつも通りの掃除、では済まなかった( ̄▽ ̄;)
今日は窓の掃除かあ。でもこればっかりはお断りしないといけません。
窓の掃除などは大掃除に入ってしまうのでヘルパーの仕事外になっていまうのです。
クニ「すみません…窓の掃除はお受けできないことになっていて…」
ここがヘルパーの辛いところ。
これくらやってあげても…と思う反面仕事内容を統一していかないといけないという責任もあります。申し訳ない気持ちいっぱいでお断りすると…
おば「窓拭きと窓磨きは違うらしいじゃない。窓拭きなら大丈夫なのよ。さっと拭くだけでいいんだから」
ガーン!!そ、そんな技があったとは…!∑( ̄[] ̄;)
実際そうらしいのです。窓をさっと拭くだけならオッケーとのこと。
でもさっと拭くとよけいに窓の汚れが目立ってしまうので結局磨いてしまうのですけどね。
おば「あ〜!ついでにサッシの溝もさっと砂落としてくれないかしら〜」
ついに最後までお母さんのペースで押し切られてしまいました。
しかしこのお二人。不思議なことに憎めないんですよね。
この間も私がノンアルコールのビールを頼まれた時、間違えて普通のビールを買っていってしまったのです。(パッケージの色が似ていて気付かなかった…)
私はそのまま帰ってしまい次のヘルパーさんが行った時に間違いが発覚。
お父さんがすぐにスーパーに電話をして話をつけ無事にノンアルコールビールと交換できたそうです。
その交換に行ってくれたヘルパーさんから聞いて初めて失敗に気付いた私。
『いつもあんなに細かく指示してくれているのに間違えてしまったなんて…申し訳ないなあ。さぞやご立腹だろうなあ。』
次の訪問の時、部屋に入ると同時に真剣に謝罪しました。
クニ「すみませんでした!!先日はご迷惑をおかけし…」
と謝るか謝らないかで
おじ「今日の買い物はね、是非これを買ってきて欲しいから!はい。」
とまたいつもの詳細メモを渡されました。
全然怒ってなかった…というかそんな過去の失敗より今日の買い物の方が大事だから!という感じでしょうか。
お母さんも「ついでにこれも!」と張り切って指示をしています。
清々しいほどに自分のして欲しいことにどん欲…!!
ある意味それ以外にはおおらかなお二人のお願いごとを今日もつい聞いてしまう私なのでした。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。