教育方針
セクハラ。
介護の仕事をしているとたびたび遭遇することがあります。
だいたいは可愛いもんで笑顔でかわせるようなことが多いんですが。
今回訪問のおじいちゃんとはセクハラ攻防戦とでもいいましょうか…毎回激しい戦いが繰り返されているのです。。。
クニ「こんにちはー!」
おじ「おう」
おじいちゃんはそっけない態度…に一瞬見せかけて、近くに座って挨拶した私の手をにぎにぎ…膝をさわさわ。
もう毎回なのでこちらも慣れたものです。
一人暮らしなので家族に見られることもなく堂々とした態度。
クニ「おじいちゃん…ウチはお触り禁止ですよ。」
おじ「ふふふ!まあまあそんなこと言わないで〜」
おじいちゃん全く意に介さず。
それどころか「やめてください」的な事を言うとそれはそれは幸せそうな顔をするのです。
このやりとり自体を楽しんでいる様子。
なんだ~それ位許してあげればいいじゃん、と思った方もいるかも知れませんが、おじいちゃんのお触りがエスカレートするとだんだん他も甘くなってきてしまうのです。
入浴介助で訪問してるのに訪問時間に行っても食事を終わらせてくれていない、ケアプラン以外の用事をどんどん頼んでくる(多少はこたえてますが)、ヘルパーの滞在時間を長引かせようとする…等々。
業務に支障をきたすようになってきてはいけません。(; ̄ー ̄)
だから今日こそ毅然とした態度で応じるわよ!と意気込んでやって来たわけです。
クニ「おじいちゃん、そろそろ洋服を脱いでお風呂の準備して下さいよ」
おじ「うう、脱げない、着替えられないよ〜」
本当は途中まで自分で出来るおじいちゃん。甘やかさないようにかわします。
クニ「今お皿洗っていますからその間に脱いでおいてね!」
しぶしぶ脱ぎ始めるおじいちゃん。
よしよし、今日は滑り出し順調。
クニ「じゃあお風呂に行きましょうか」
おじいちゃんは立ち上がる時にテーブルや手すりを使って立ち上がるのですが
おじ「ああ〜立てない〜」
と言って私の肩をがしっとつかんでえいっと立ち上がりました。
そしてすかさず肩をさわさわ。
クニ「おじいちゃん!私につかまるより手すりの方が安全ですってば!」
おじ「え〜本当?そうなの?」
そうなのって…毎回言ってるんですけどね。
やっと入浴にこぎつけても
おじ「あれ〜?シャンプーで前が見えない〜」
と言っては胸を触り
おじ「つかまるものが無いなあ〜」
と言っては足や腕につかまりなでなで。。。
本当によく思いつくなあと少し感心してしまう自分が悔しい。
おじいちゃんの術中にはまっているではないですか!!(゚ロ゚;)
これではいかんと浴後も倒れそうなフリをして胸やお尻を触ってくるおじいちゃんに
クニ「おじいちゃん、最近はねセクハラって言ってすぐに裁判を起こされたりするんですよ。怖いでしょう?気をつけないとダメですよ」
と脅しをかけてみるも
おじ「ええ!そうなの〜?ふ〜ん」
と何故か嬉々として聞いている。
ダメだ…何を言ってもおじいちゃんを喜ばせてしまう。
もういっかあ、と思って何気なく
クニ「ウチの事務所に男の子のヘルパーがいるんですよ。力があるし頼れるから今度その子を連れてきましょうかね」
と言った瞬間、おじいちゃんの顔色が変わりました。
おじ「何が楽しくて男と風呂なんか入らんといかんのじゃー!!」
おじいちゃん…完全にヘルパーを何かと勘違いしてるね。(´□`;)
でもこれが効いたのかその後おじいちゃんのセクハラが半減。
男性ヘルパーが来るのがよっぽど嫌だったんだ。。。
こうなると不思議なものでしょんぼりしているおじいちゃんがちょっと可哀想になってきて…最後に優しく
クニ「また来ますね」
と満面の笑みで声をかけると
おじ「ほら!早く。ここ、ここ!」
と布団を指さし自分はゴロンと寝転がるおじいちゃん。
おじ「一緒に寝ようか、ね!」
全然反省してねー∑( ̄皿 ̄;;!!
良かっためげないおじいちゃんで。
これからもおじいちゃんの楽しみを奪わない程度に厳しく優しく教育していくことが求められるようです。
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