お盆のオキテ
夏ですね!お盆ですね!いや、お盆でしたね。。。
お盆休みがなかったワタシです。(´_`。)
しかーし!利用者さんのお家ではご先祖様をお迎えする準備万端。
いつものようにおばあちゃんの家へ訪問すると…普段はがっちり鍵のかかった玄関が全開で開いている!
私が訪問しても必ず閉まっており、大声を出して叫ぶもおばあちゃんの耳が遠くてなかなか開けてもらえないあの開かずの玄関が…!!
独り暮らしのおばあちゃん。何かあったのでは!?
心配になって急いで玄関へ。すると…
きょとんとした顔でおばあちゃんが座っていました。
でも何故かいつもよりこぎれいでかわいいワンピース姿です。
クニ「よかった〜。玄関が開いてるから何かあったのかと思ったよ〜」
おば「あら。今日はお盆だからご先祖様が入ってきやすいように開けてるのよ」
なるほど。そういえばお盆でした。じゃあワンピースは正装なのかしら。
安心して失礼しまーすと中へ入ると…ぷう〜ん。
蚊。大量発生!!
きっと玄関から大量に入ってきたんだ。
おばあちゃんもたくさん刺されてるよ!
でもご先祖様が通ると言われれば閉めようとも言えないし…。無言で蚊の猛攻に耐える二人…。
おば「今日はね、仏壇も綺麗にしたのよ」
クニ「本当だ、お供え物が…ん?」
果物とおかずとご飯。でもそのご飯の上に小さく折った割り箸が数本突き刺さっている。
初めて見たな…お箸が一本突き刺してあるのはどこかで見たことあるけど折った割り箸が針山のようにっていうのは初めて。それにお花がなんだか…
おば「お花もね、そこらへんでちぎってきた!」
えぇ〜!w( ̄▽ ̄;)wいいの?それで、おばあちゃん!
…でもその仏壇を見ていると、その手作り感や素朴な感じがなんだかかわいらしい。うん、ようは気持ちよね。これでいいんだわ。
クニ「じゃあ今日は何を料理しましょうか」
おば「お盆は精進料理しか食べられないの。明日はおだんご。だから何もいらないわ」
クニ「え〜…じゃ、じゃあお掃除を…」
おば「掃除もいいのよ。ほら綺麗でしょ」
…うーん。正直きれいではない。(´ω`;)
掃除機をかけた方がいいんだけど、おばあちゃんなりにお盆のために綺麗にしたんだろうこの部屋をガーガー掃除機かけるのも気が引けるなあ。
たくさん用事を頼まれると困ってしまうけど、あまりにやることがなくても困ってしまうのがヘルパーである。
仕方ないのでおばあちゃんがよそ見したすきにトイレ掃除。会話しながら洗い物。机の下でさりげなくコロコロでゴミとりを敢行。
そのうちおばあちゃんは亡くなった親戚の話など夢中で語りはじめた。
おば「自分の親、旦那の親、兄弟、親戚。みーんな送ったのよ。いや〜たくさんいたわ次から次と。最後に残ったら本当に大変よ!ふふふ」
そう言って悲しいことも辛いことも笑い飛ばしてしまうおおらかさが胸にささった。
おばあちゃんにとっては当たり前で当然のことをしてきただけで、大変でも苦労でもなく本当に“普通”なんだ。
さらりと話すおばあちゃんを、普通のことを普通にできるおばあちゃんをとても素敵に思える。
おば「昨日は生きてる方の人にもお供えしに行ったのよ〜」
クニ「ぷっ…」
生きてる方の人とは、おばあちゃんの旦那さんで今は施設に入所しているおじいちゃんのこと。おばあちゃんの言い方に思わず笑っていまう。( ´艸`)
おば「でもさ、せっかくスカート着ていったのに親父さんに怒られちゃって。悔しいから今着てるの」
クニ「え〜。なんでですか?」
おば「はしたない!だってさ。」
ふーん。(〃 ̄ω ̄)
でも私が思うに…おばあちゃんがかわいかったからあんまり皆にじろじろ見られたくなかったんじゃないの〜?
なんだかんだいってらぶらぶなんだから。
お盆休みはなかったけれど、おばあちゃんのおかげでお盆の雰囲気を満喫できた一日でした。
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