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介護漫画家・國廣幸亜は見た! 愉快な利用者と家族たち

新人ヘルパー、涙する

最悪な一日でした…。
このおじいちゃんのお宅へ訪問するのは今日で5回目。
実は今住んでいるところは今まで住んでいた東京からかなり遠いところ。新参者で新人の私はまだ訪問できる先が少ないので結構続けてそのおじいちゃんのお宅に通ってました。
基本姿勢、「機嫌が悪い」。
というおじいちゃんなので私も毎回「もう来んでいい!」と言われていたけどそのうち受け入れてもらえるはずと思って訪問していました。
買い物と調理と掃除がサービス内容なのでいつものように
クニ「今日は何を作りますか?買い物してくるものありますか?」
しーん…(沈黙)…の後に

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manga100629.jpg
わーん (´_`。) でもいつもこんな感じ〜。
ここでひるむ訳にはいかない。おじいちゃん一人暮らしだし歩くのも大変だから買い物して何か作り置きしていかないと。
クニ「じゃあ冷蔵庫見て何か作りますね。足りないもの買ってきます」
と言って買い物に出ました。
そして帰ってくると……あれ( ̄ー ̄?)
なんか様子が違う。いつも寝てるのに起きて待ってるし…。

おじ「なんで勝手に買い物行くんだ!」
クニ「すみません…でも何か今日のご飯を作らないと…」
(ここまではいつものやりとり)
おじ「そんなもんいい!帰れ!!だいたいなんでずっとアンタなんだー!!」

今まで何度も怒られてきたけど、台所に入れてもらえない!こんなの初めて。
勝手に買い物に行ったことを謝り、料理だけでも作らせてくださいってお願いしたけど断固拒否!
おじ「帰ってくれ!!」
ダメだ…今日は本当に何もさせてもらえないかも…。
しばらく居座ったけどおじいちゃんの態度が変わらないので事務所へ帰るしか術のない私…。
「どうしよう、買い物に行かなければ良かった?続けて私が来たのが嫌だった?新人で勝手がわからないのが腹立たしかった?他から来たばかりで方言が分からないことでイライラさせた?人間的に私が嫌だった…!?」

帰り道、もう辞めなければいけないかも…と思い頭の中がぐるぐるぐる…
重い足どりで事務所へ帰り先輩ヘルパーさんに報告。。。
すると事情を説明しているうちに

ぽろぽろぽろ… 涙が!!o(;△;)o

なんだかもう情けなさでいっぱいで。。。慣れない事だらけだったこの数ヶ月の不安が一気に吹き出してしまいました。
職場で泣くなんて…34歳で…仕事ができなかったから泣くなんて…。
『知らない土地に来て…私は何をやってるんだろう…』
すると先輩が
先輩「もう!あのおじいちゃんいつもああなんだから。大丈夫私がいってくるからね。ほら飴たべなさい!」
うう〜!優しい言葉にますます涙が〜・゚・(ノД`;)・゚・
結局先輩ヘルパーさんがおじいちゃんを説得してご飯を作ってきてくれました。
クニ「本当にすみませんでした…私がもっと上手に接すれば良かったのに…」

先輩1「いいのいいの!みんなこういう経験してるんだよ」
えっ、先輩も?
先輩2「大丈夫、あのおじいちゃん究極の気分屋だから。しばらくして行ったら忘れてるよ」
そうなんですか?!
先輩3「機嫌がいい時なんてお尻とか触ってくるからね!
ええ〜!!おじいちゃんそういうキャラ?!Σ( ̄Д ̄;)
強面、硬派な人だと思ってたのに…。
それを聞いて少しだけ前向きになりました。。。
おじいちゃんも人間、怖がることはない、よね。

クニ「落ち着いたらまた訪問してもいいですか?」
先輩「うんうん。がんばれ〜」

先輩の優しさに助けられなんとか終わった一日。
私って本当に何もできないヘルパーだなあ。。。
でもまた頑張ろう。
おじいちゃんにシリを触られるくらい親近感を持ってもらうまで!
(o *゚▽゚*)o

って違うか。。。
最悪だけど本当に勉強になった一日。先輩ヘルパーさんに心の中で敬礼!しました。
リベンジ訪問したらまたここで日記にしますね。


コメント


いたらない自分に涙する気持ち、よく分かります。私も30歳にして職場で泣いてしまった事があります。情けないやら悲しいやら悔しいやらもどかしいやら・・・色んな感情が一気に噴出して、堪えきれずに泣いてしまいました。その時は『泣いてしまって周りに心配&迷惑掛けてしまった。。どうしよー。。恥ずかしいよー』と思いましたが、今ではあの時泣いて良かったと思っています。泣いた事により、上司や先輩からもアドバイスを貰えたり、フォローをして頂き窮地から抜け出せ、道が開け、可能性が広がったと実感しています。だから國廣さんも泣いてしまった事は気にせず、前向きに頑張って下さい☆素敵な先輩方に恵まれていらっしゃるのですぐにそのおじいさんと仲良くなるコツが分かってくると思います。むずかしいおじいさんだからと敬遠せずに、どんどん話かけていったらいいと思いますよ☆おじいさんの好みや趣味等、先輩方から情報を集めて次に訪問した時『今日は○○作りましょうか?』とさりげなく好物を調理する提案をしてみたり、共通の話題を探して話かけてみたり、自分には分からないような趣味でも、『それってどんな風にするんですか?教えて下さい♪』と、話題を広げていけばおじいさんのかたくなに閉まっている心の扉にも少しずつ変化が現れてくると思いますよ☆頑張って下さいね(^v^)


投稿者: なっち~♪ | 2010年08月24日 16:37

●なっち〜♪さま●

共感いただき嬉しい気持ちです。
なっち〜さんの素直な心と一生懸命な気持ちがまわりに伝わったんでしょうね。

私も泣いてからちょっと楽になりました。
肩の力を抜いて頑張りたいと思います。


投稿者: くにひろ | 2010年08月25日 18:03

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
國廣幸亜
(くにひろ ゆきえ)
1976年5月9日大分県生まれ、愛知県育ち、現在は九州女子。
幼少の頃より漫画家を志す。
1995年上京。会社員をしながら相変わらず漫画家を志し投稿の日々。
1998年講談社 BE・LOVE誌上にて「ささら」でデビュー。
現在ホームヘルパー、介護福祉士などに従事しながら創作活動を続ける。漫画『介護のオシゴト』で介護の世界をユーモアに描く。
著書に『介護のオシゴト』1・2巻『ユキ先生お元気ですか!?』『42.19GO!!~運痴女のフルマラソン挑戦記~』(以上秋田書店刊)、『晴太郎日記~いっしょに歩こう~』(講談社刊)がある。
國廣幸亜の公式ホームページ http://www.geocities.jp/ mitsutamahouse/
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