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とんちンカン~福祉・介護・看護・医療の発想デザイン 2008年07月

土用の丑(うし)の日 

「土用の丑の日」は鰻の蒲焼き料理
暑い夏を乗り切るためには栄養満点

季節感を失った現代ではウナギ弁当
コンビニでいつでも手に入る私たち

認知症高齢者はウナ弁を食べないが
日本の豊かな歳時記で生きた人には
「土用の丑の日」の鰻こそご馳走だ

季節感を「認知」できない現代人と
季節感を「認知」できる認知症の人
はたして どちらがトンチンカン?



心得

「心得」とはなんだろうか?
それは「心が得をすること」
相手の心も私の心も得をする

「心損」とはなんだろうか?
それは「心が損をすること」
相手の心も私の心も損をする

世知辛い損得勘定も心次第だ



グループホーム

「グループホーム」は認知症ケアでも人気者
認知症高齢者に馴染みやすい住まいだからだ

島原半島にあるグループホームは民家である
西は雲仙岳 東は有明海 島原城の麓に佇む
かつて「島原の子守歌」が生まれたところで
今は「認知症の人の守り歌」が聴こえてくる
その響きは哀調ではなく 笑いと希望の歌だ

でも 「グループホーム」なんて不思議だな
「グループ」の「ホーム」を意味するのかな
「ホーム」の「グループ」を意味するのかな
もしかしたら “多世代・大家族”のこと?
もしかしたら “向こう三軒両隣”のこと?

人間は最後まで一人で生きるのは寂しいから
人間は「人と人との間」で生きるのが幸せだ



「り」の効果

「心配」は消極的な心であり
不安・悩み・恐怖へと広がる

「り」の一字を足してみれば
「心配り」という積極的な心
心を配るとは奥ゆかしきもの

自分に対して心配より心配り
他人に対して心配より心配り
未来に対して心配より心配り



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プロフィール
日比野正己
(ひびの まさみ)
長崎純心大学大学院教授&現代福祉学科教授。福祉のまちづくり+バリア・フリー・デザイン=福祉デザインを提唱する日本初の博士(社会福祉学)。独自のHM(叡智・笑む)法によってバリアをフリーにデザインするプロの技を建築・福祉などの分野で楽しく深く教授すること30年以上。著作多数。
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