ページの先頭です。

ホーム >> 家庭介護サポーターズ >> 長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ
長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ 2007年07月

暑い日には水分の補給を大切に 脱水症その1

 これから日本列島は暑い季節になります。カンカンと照りつける太陽とにらめっこするような毎日になるでしょう。この季節に注意することは脱水症です。脱水症は命に関わる危険な症状ですが、特に高齢者は脱水症になりやすいので、注意が必要です。そこで、今回は脱水症についてお話することにします。

●高齢者は脱水症になりやすい
 なぜ、高齢者は脱水症になりやすいかというと、年をとってくると細胞が水をためる力が弱くなるからです。若い人の細胞は水分を周りに集める力があるので肌にも張りがありみずみずしいのですが、年をとると水分をためておく力が少なくなってカサカサになります。皺ができるのはこのためです。20歳位では体の細胞の中の水分は60%強ありますが、70才代になると4~5%減ってしまいます。



デイケアをはじめよう! その7~さらなる広がりをもって

 あるときのことです。家族の1人が「先生には、あらかじめご相談しませんでしたが、実は先週末にグループのメンバー全員で箱根まで温泉旅行に行きました。いつも自分の家族だけで温泉に行っても、部屋にある内風呂でがまんしていました。でも、今回は介護者に男性も女性もいましたので、みんな大きな広い広い温泉につかることができました! そして、無事に帰ってくることができて、みんな喜んでいました」という話でした。
 また、こういうこともありました。1人のご家族が、自分の自宅でも、規模は小さいけど集まって話をすることくらいならできると考えて、自宅に近所の認知症の人と家族とが集まる会をひらくことにしました。
 その際、念のために保健所に届けた方がよいと思って、届けに行ったところ、保健所の人が驚いて、「それは保健所の仕事だよ」とおっしゃって部屋を1つ借りることができ、そこで行うことになりました、と報告があったのです。つまり、市民発のデイケアが行政を動かしたともいえると思います。私は感激したことを覚えています。



デイケアをはじめよう! その6~学びの場となるように

 こんなこともありました。
 デイケアを行っている間、介護の専門職、心理士、看護師などの人たちが、認知症の高齢者に対していろいろな働きかけをしている様子を、隣の部屋からご家族がワンサイドミラー(こちら側からは見えるが、反対側からは見えない鏡)で見ることができるようにしていました。
 家族の方は、他のご家族の認知症の高齢者を見ることで、ご自身が介護している方の状態と比較することができました。また、普段の様子とデイケアを受けているときの様子とを比較して、いろいろなことに気づいたようです。



デイケアをはじめよう! その5~ご家族への援助

 認知症の方がデイケアをしている間、ご家族の方へは、悩みを聞いたり相談にのる時間にしました。
 まず、それぞれ自己紹介をして、毎日の暮らしの中で困っていることを語りました。「何回も同じことを言われて疲れてしまう」「昼と夜とが逆転して困る」「失禁でなかなか間に合わない状況がつづいている」「おむつをしてもすぐとってしまって困っている」等々、さまざまな相談が寄せられ、スタッフのナースが答えに窮することもおこりました。
 すると長い介護経験をもつ家族から「そういうときはこうすればいいですよ」とアドバイスがありました。同じ立場の家族からの答えは説得力がありました。



ページトップへ
プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
hasegawa-book.jpg
メニュー
バックナンバー
その他のブログ

文字の拡大
災害情報
おすすめコンテンツ
福祉資格受験サポーターズ 3福祉士・ケアマネジャー 受験対策講座・今日の一問一答 実施中
福祉専門職サポーターズ 和田行男の「婆さんとともに」
家庭介護サポーターズ 野田明宏の「俺流オトコの介護」
アクティブシニアサポーターズ 立川談慶の「談論慶発」
アクティブシニアサポーターズ 金哲彦の「50代からのジョギング入門」
誰でもできるらくらく相続シミュレーション
e-books