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鎌倉ベルの会がおくる「家庭介護のコツとチエ」

献立表のこと。
そして、1年間ありがとうございました。

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 「ベルの会のお弁当には献立表がなければならないんだから何か書いて」とせっつかれて、さて困りました。
 仕方なしに、綴じてある献立表をめくってみます。

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*   *   *   *

【3月】
■あちらこちらでミモザが黄色を増していきます。昨日は啓蟄と春一番が重なったということです。たまたまとはいえ何とめずらしいことでしょう。(某3月7日) 
■お日様も穏やかに今日で「三温」です。明日はどうなりますか、沈丁花が香ります。(3月9日)
■ここ2、3日うぐいすの鳴き声で起こされます。ぜいたくな話ですが、本当はもう少し寝ていたいのです。(3月30日)

【4月】
■暖かくなりました。先週のツクシご飯はいかがでしたか? 春をお届けしたいと、会員がご主人と一緒に子安の里まで摘みに行って、煮てきてくれたものです。この活動も家族の協力があってこそのものです。(4月1日) 
■八幡宮の源平池の水面に一面に広がった桜の花びらはことのほか美しく、それを背に乗せたまま泳ぐ鯉の、何となく得意げに見えたことでした。(4月2日)
■八幡様の夜桜を見に行きました。今を盛りの花々は群青の空に映えて、至福の一時でした。(4月7日)
■雨上がりの今朝は、鳥の声がしきりです。鳥語というのはすべての鳥族に共通なのでしょうか? 水族館で、アマゾンの魚とナイルの魚がひとつの水槽に入れられていましたが、魚語は?(4月20日)
■卯の花の蕾がふくらんで、野の花がたくさん咲いてもまだまだ冷えます。お風邪などお気を付けくださいませ。(4月25日)
■昨日の嵐のおかげでピッカピカの朝を迎えました。青桐が天に向かって背伸びをしているようです。(4月28日)

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【5月】
■木漏れ日の段葛を歩きました。浅緑にすっぽりと包まれて幸せでした。(5月17日)
■山百合が香ります。明日からはたっぷりと「水有月」の気配が…。(5月31日)

【6月】
■晴れの日と雨の日が交互の梅雨は何か許せるような…、お変わりございませんか?(6月3日)
■タンポポに紋白蝶がたわむれていました。今日は2006年6月6日、何かいいことありそうな…。(6月6日)

【7月】
■文月とは蛍を集めて文を読む月? ホタルブクロが咲いています。(7月4日)
■銀杏の花を見たことがないので、どんなかたちで出てくるのかと毎日気をつけていましたのに、高いたかい梢にもう立派な実がなっていました。がっかりです。(7月13日)
■カナカナが鳴いてさるすべりが咲いて、パカッと梅雨が明けました。(7月19日)
■人間は頭を使って暮らしているので、一日の睡眠時間の70%は、脳を休ませるために使っているのだそうです。寝苦しい夏お昼寝も大切ですネ。(7月20日)

【9月】
■尾花が風にゆれて輝いています。さすがの残暑も今日は一休み、ほっとしますネ。(9月16日)
■今年の十五夜は何とも見事でした。明るさには慣れっこの私たちでも、神秘的な明るさには心をうばわれます。(9月20日)

【10月】
■霧雨に金木犀が香ります。ゆうべはひと晩中コオロギが鉦を叩いていました。(10月9日)

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【11月】
■尾花のゆれる小路を、ひとかたまりの生徒たちが通ってゆきました。青い空が美しい今日の朝です。(11月14日)
■昨日の夕方、市役所の銀杏が、まんまるのお月様を背に黄色く輝いていました。ここのところの冷え込みで、紅葉がきれいになりました。(11月19日)

【12月】
■青い空に、飛行機雲がひとすじ長~く尾を引いてのびていました。トンビが2羽、止まっているかのように高いところで風に乗っていました。(12月11日)
■この季節になると「年をとると一年がとても短い」と言っていた姑のことを、実感を込めて思い出します。お寒い日が続きます。(12月24日)

【1月】
■七草、鏡開き、小正月、うれしいお正月の行事です。今年も心して続けてゆきたいと思います。(1月12日)
■お日さまに誘われて海を見に行きました。春の海はきらきらと優しく迎えてくれました。(1月23日)

*   *   *   *

 こうして抜き書きしてみると、書いたときの状況が鮮明に甦ってきます。献立表に携わるようになって風習やちょっとした自然の変化などの身の回りのことに、より注意を払うようになりました。
 火曜日、水曜日、今日は何を書こうかと思いをめぐらせるのも楽しみの一つですが、お弁当と一緒にお届けして、「献立表もご馳走のうち」「ずっと綴じてありますよ」などとお聞きするととても嬉しくなります。
 さてアンテナを磨かなくちゃ。 

(貞)

<1年間ありがとうございました。>
 18年前、「食中毒を起こしたらどうするの?」「栄養士も料理研究家もいないのに」と案ずる声を振り切って、主婦たちだけで配食サービスを始めました。
 そのときの「やるっきゃない」精神で今回も、中央法規出版さんからのご依頼を受けて1年、どうにかタスキをつないでゴールまで走り続けることができました。
 今、高齢者福祉の状況をみると、ベルの会の講演会でお話しいただいた先生のお言葉をいくつか思い出します。
「売り買いの原理と福祉の原理は違う」(故・岸本重陳先生)
「介護の社会化は介護の市場化ではない」(内橋克人先生)
 この言葉を胸に刻んで、これからも住みよい街づくりに力を尽くしていくつもりです。
 1年間、本当にありがとうございました。

(ベルの会一同)

コメント


とうとう最後になりました。お品書きにご登場頂き嬉しいです。このB5版一枚が松花堂に添えられていること、本業は画を描かれる貞様の踊るような歌うような文字と言葉を楽しみにされる利用者が少なくないのです。長い間にはその紙に達筆な短い<お返事>が書き込まれてお弁当箱と戻ってくることも幾たびか!「雪ノ下の退屈男」と署名入りで「この射込高野とあるのは、その形状からして<鋳込み>が正しいのでは?」と歌詠み人の朱が入ったことも懐かしい思い出です。一同なるほど!と感心しつつもオズオズとそれが高野豆腐の伝統的料理の名称であるとお返事して、その後も折々に文通が続きました。毎週のことですからご苦労は測り知れないのですが、この献立表が調理場からのささやかな応援歌として召し上がる方のお箸もすすめば、とも願ったり。グッドラック!みたいな?


投稿者: 蛍の光 | 2009年03月26日 23:30

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プロフィール
NPO法人鎌倉ホームヘルプ協会ベルの会
1991年に会員制による非営利有償の配食・ホームヘルプサービス団体として発足。2002年にNPO法人化。介護保険発足後は訪問介護事業に加え、地域支援型のホームヘルプサービスと週2回の配食サービスを行っている。利用会員235名、協力会員121名、賛助会員40名。鎌倉の食材を用いてつくられる季節感あふれるお弁当は、長年愛好するファンが多い。
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