女もすなる料理といふものを
身近な人のために、自分ができることをすすんで行う。
そこから、自分に役立つことを見つけることができたならと思う。
人がやれないこと。人がやらないこと。
それが見つかると、今までの自分とは違う味が出てくるかな。
そんな思いで、ベルの会の調理に参加している。
話は変わる。男の私がつくる料理についてである。
おふくろの味はいつの時代でも同じで、肉じゃが、キンピラ、青菜のお浸しや胡麻和えなど。
ある時、「すきやきもいいねぇ」という利用者さんの声をヒントに、いつでも好きな時に食べられる“すきやき”を考えてみた。
肉のあいだに具を挟み込み、巻いて煮込んだ「すき焼きロール」。
つくったものをラップやビニール袋へ入れ、個々に調理名と調理した日を書いて冷凍保存する。食べたい時に「チン」すればOK。
ちなみにこの調理法は、最近人気のあるタイプの冷蔵庫にもあるようだ。温かい料理の旨味をとじこめ、急速冷凍するタイプらしい。
大田区にある調理師学校では、5年も前から「チルドクッキング」と称して、公開講座で実演をされていた。
訪問したお宅の方からちょうだいした、「庭で育てられた野菜を生かしてほしい」とのお言葉からあみだした料理もある。
1わの葉野菜を3通りの料理仕立てるというものである。
葉を使ったお浸し、葉と茎を使った胡麻和え、茎と根とじゃこを使った酢の物。
この3法則を各食材に生かし、「ほうれん草の和え三昧」「小松菜の和え三昧」「春菊の和え三昧」に変化させることもできる。
当方名付けて、三昧料理。
味も3通りなら、作り方も3通り。どんな葉ものにも合いつつ、効率的で効果絶大。まさに男の料理だろう。
女もすなる料理といふものを、男もしてみむとてするなり。面白がっていただけたら幸いです。
<レシピのご紹介>
牛肉ロール・すきやき風味
<材料>
牛肉ロース 5枚(薄切りのもの)
ねぎ 1本(斜め切りにする)
水煮たけのこ 適宜(薄切りのもの)
白菜 1葉(短冊切りにする)
エリンギ 1本(いしづきを取り、短冊切りにする)
しらたき 1/4パック(5cm長さ切りにする)
春菊 5枝(3cm長さに切る)
<調味>
関東風割りした(酒1・醤油1・砂糖1)
関西風割りした(だし汁1・醤油1・砂糖1)
<作り方>
(1)牛肉1枚ずつを縦長に開いて、手前からねぎを左右にはみだすぐらいに置き、薄切りたけのことエリンギ、白菜、しらたきを横一文字に並べて手前から巻く。
(2)鍋に並べて、肉の間に葱と春菊を挟み入れ、割りしたをひたひたまで張って、沸騰したら弱火で10分煮る。
(4)牛肉ロールを取り出して、冷めたら3分の1のところを輪切りにして、葱と春菊を盛り付ける。
ほうれん草の和え三昧
<材料>
ほうれん草 6茎
すり胡麻 大さじ3
干しじゃこ 適宜
削りかつお 適宜
<調味>
お浸し(だし汁大さじ3に対して醤油大さじ1)
胡麻和え(すり胡麻大さじ3に対して砂糖大さじ3と醤油大さじ1)
酢の物(酢大さじ2に対して砂糖大さじ1と醤油大さじ1)
<作り方>
(1)ほうれん草はよく洗い、沸騰したお湯に茎からゆっくり沈めて全体に火を通し、冷水で冷やす。
(2)水気を切って三等分に切り分けて、葉はお浸しに、真ん中の中葉・茎部分は胡麻和えに、茎と根っこは縦に4~6等分して酢の物に仕立てる。
(2)お浸しをつくる。出し汁大さじ3に対して醤油大さじ1に15分ほど浸し、軽く汁気を切って上に削りかつおをかけてできあがり。
(3)胡麻和えもつくろう。すり胡麻(袋入りで売っている)大さじ3に対して砂糖大さじ3の同量と醤油大さじ1を良く混ぜ、水気を切った青菜と合わせる。
★白胡麻、黒胡麻、ミックスや半ずりなど胡麻のバリエーションでも変化が出る。
(4)酢の物にも挑戦! 酢大さじ2に対して砂糖大さじ1と醤油大さじ1の浸し汁に20分ほど漬ける。軽く汁気を切って切り分け、フライパンで軽く煎ったじゃこや季節の香味野菜(茗荷など)のみじん切りを降ってできあがり。
★野菜以外にわかめを茹でて入れるバリエーションもOK。
★お酢の代わりに梅干しを使ってもおいしい。
コメント
Yさんがせっせとヘルプにやって来て「…が食べたいなあ」に応えてくれて、利用者さんが楽しみにしておられるのがよく分かります。丹精した野菜も大切に三昧料理に仕立ててもらえば益々畑仕事の甲斐もあるというものです。生きて行くうえで食べることは誰でも無上の楽しみです。「友あり、近隣より来たり、美味きものを作りたる、また楽しからずや」っていう感じ?
86歳になった義父は、ケアマネさん・へるぱーさんに色々お世話になるほど弱ってきました。でも、お食事時に「おじいちゃん何食べたい?」と聞くと、「お肉食べたい・・」と時々言います。Yさんの「牛肉ロール・すきやき風味」のお話をうかがうと、義父を思い出しまた食べさせてあげたいと思いました。
※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。